1/1、午睡さん

 こんにちは、午睡さん! またお会いできて本当に嬉しいです!
 三が日、過ぎてしまいましたがこちらからも、明けましておめでとうございます。

 クリスマスプレゼントに引き続き、豪華なお年玉を頂戴したような気分になり、わくわくしながら読ませていただきました。あのような興奮冷めやらぬ混沌とした心地で書き連ねてしまったものを丁寧に読んでくださり嬉しく思います。午睡さんと沢山ポケモンのお話をすることができて、今年は明るい一年の幕開けとなりました。

 プレイヤーの数だけ主人公のかたちがある、という考えにご共感いただき嬉しいです。私はストーリーに重みの増したBW頃から「この子はどんな気持ちで旅をしているんだろう」と考えることが増えましたね。着せ替え機能が追加されたXYでも、次のSM/USMでも、考えさせられることが沢山ありました。
 主人公と共に冒険をしたポケモンについても言及されていて「そうだ、そもそもプレイヤーの手持ちや覚えている技がぴったり揃うことなんか滅多にないんだった!」と改めて思い直すことができました。御三家の選択、進化させるか否か、捕まえた伝説ポケモンをパーティに入れるかどうか、等々……同じトレーナーが在り得ないように、同じ手持ち、ポケモンたちもまた在り得ないことでしたね。たとえば私は、第二世代以外は全て御三家に水タイプを選んできた身なのですが、午睡さんはおそらくまた別の選び方をされているのでしょうね。

 初代やSM/USMでは主人公の年齢が「11歳」と仄めかされていましたが、BWやXY、剣盾あたりはビジュアルからしてもう少し年上であるように感じています(とはいえ15歳は超えていないだろうと思うので13~14くらいでしょうか?)。そんなローティーンの子供たちがポケモンたちと出会い、仲間になり、最終的に絶大な信頼を得るに至るという流れは、ゲームは勿論、アニメや映画を見ていてもぐっとくるものがありますよね……!

 そ、そうですマーキュリーロード! マーキュリーロードお読みくださっていたのですね、ありがとうございます! あのような破天荒なミヅキによる破天荒かつ長々とした物語を……うれしい!
 SM(USMの方ではなく)を遊んだとき、BWやXY以上に強く「この子はどんな気持ちで旅をしているんだろう」と考えさせられました。更に言えば「こんな旅で本当に主人公は幸せになれたのだろうか、十分に旅を楽しめたのだろうか」とも。
 そんな、プレイ当初の私の、上手に「楽しかった!」と思えなかった気持ちをどうにかして片付けたくて書き始めたのが第一章でした。けれども書き続けていく中で、グズマさんを始めとするアローラの皆さんと向き合うだけの気力が生まれてきたこともあり、第三章をなんとかあのような形で締めくくることができた、という経緯でしたね。

 子供に、大人たちからの愛が正しく届かないこと。本当に欲しいものだけが手に入っていないだけなのに、全てに弾かれていると感じてしまう視野の狭さ。大好き、が相手を遠ざけるための都合の良い言葉に化け得ること。自らが宝石でないことを認めることの困難さ。何かにおいて唯一でありたいと願い続けた果てに「私にしかできないことなんか本当はただの一つもなかった」と知ること……。
 それらの、11歳が思い知るにはちょっとむごすぎた学びの果てに「どう生きればいいか分からなくなったとしても、生きるの」と真っ直ぐな目をしたミヅキに言ってもらえたこと、そこまで書き上げられたことへの達成感は今も褪せることなく私の中にあります。彼女の真実に優しく同意してあげられたグズマさんや、彼女が歪んだままでも優しく迎え入れてくれたザオボーさん、またサンムーンの世界線では会うことの叶わない、アローラの外へ旅立ってしまった人たち……彼等の記憶が彼女を支え続けてくれる限り、彼女が「疲れた」ということはないでしょう。
 ミヅキの歪みが午睡さんを不快にさせるものではなかったこと、こいしの喜劇に最後まで丁寧にお付き合いくださったこと、改めて本当に、本当にありがとうございました。
 連載の数だけは多いサイトですが、マーキュリーロードはその中でも膨大な時間と気力を費やして書き上げた物語のうちの一つで、思い入れもひとしおでした。こうしてまた思い出す機会を頂けて、私もとても楽しかったです。

 そうそう、素敵な曲のご共有もありがとうございます! 「猫ノ箱カブリ」早速聴いてまいりました。
 最初の「踊っていた」や「砂に描いた理想を拾って」の部分からいきなり、ミヅキが黒い砂浜の上で歪な魔方陣を描きながら「貴方のこと、大好きでした!」とグズマさんにお別れを言うシーンが思い出されて、一気に惹き込まれましたね。
 「猫被っては買い被られて、空回っては剥いでしまって、箱被って見えなくした」の流れはまさに自らの狂行で己の首を絞めていく、第一章および第二章の彼女の様子そのままで、優しいメロディラインではありましたが胸が痛くなりましたね……。
 あと「言えない『好き』も君と謳歌したい」は「誰よりも勇敢だったはずの貴方が持つべき勇気……それは、誰かを嫌うこと」に重なり、嫌い大嫌いと喚き散らす私でも傍にいてほしい、もしくは心からの「大好き」が正しく私の大好きな人に届いてほしい、というような祈りに聞こえました。

 あと、ミヅキを「滑稽に」「痛々しく」「惨たらしい有様で」書こうとはしながらも、決して「可哀相」にはしないぞ(悪役になってしまった主人公、なので)と意識して書いてきた身としては、やはりこの柔らかく明るいメロディに彼女を重ねてくださったことに「よし!!」とガッツポーズをしたくなりましたね。
 当サイトの主人公たちはそれぞれ何らかの歪みや課題を抱えていますが、ミヅキのこれはとびきり重く、しかも旅を経ても何ら解決していないものでした。その重さを笑いながら語ってくれる、その代弁の旋律として、この「猫ノ箱カブリ」のメロディ、私も今後、大事に聞き込んでいきたいなと思います。

 実はマーキュリーロード、執筆当初に多くの方にお読みいただいており、午睡さんのように、あらゆる素敵な曲に重ねてくださった方から以前にも幾つか紹介を受けておりました。
 特に印象に残っているのが「ウッドペッカーは夜泣く(有機酸)」と「Orion(米津玄師)」ですね。前者はウルトラスペースに飛び込んだミヅキの回想シーン、後者はグズマさんを主役とする第三章に重なるところが多くあるように感じています。
 あとこれは私の選曲ですが「メーベル(バルーン)」もマーキュリーロードのイメージでしたね。2番サビの「此処で愛情を問うにはあまりに遅いから、聞かなかったことにしよう」という大人び過ぎた臆病さと優しさがザオボーさんに重なりじーんと来るなどしました……。

 いかん、今回も長くなってしまったぞ。すみません!
 アルセウス、既に予約されているとのことで、今から28日が楽しみです!
 剣盾のように、プレイ記録という形でまとめられるかどうかは分からないのですが、24など何らかの形で所見プレイの興奮や感動を共有させていただけたらと思っています。午睡さんの目にあのヒスイ地方がどのように映ったのか、是非またお話、聞かせてくださいね。

 妊娠についてのご配慮もありがとうございます。体の主要な臓器も完成し、あとは大きくなるだけといった状態、もう此処まで来れば私のできることは、本番になんとか頑張って無事に産むことくらいですね。ただ全国的に新型コロナの第6波流行が懸念されているので、免疫力の低下している今、罹患しないよう対策だけは怠らず気を付けていきたいところです(妊婦さんが感染すると大抵の場合、帝王切開での出産になるようなので……)。

 では、この度も本当にありがとうございました!
 またのお越しをお待ちしております!

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