或る証明

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「私は美を、魔法のようなものだと思っています」

 パッションフルーツのジャムが薄く塗られたトースト、湯気のふわふわと立つクラムチャウダー。ヴィルが一見した限りでも8種類以上の野菜が盛り込まれていると思しき豪華なサラダ。朝食にしては申し分ない量を次々と、けれども最低限のマナーを守って食べながら、彼女は徐にそう口を開いた。ルークに求めた美味しい朝食という条件が満たされたため、彼女は先程の問いにようやく答える気になったようだ。
 バゲットにチーズを乗せて食べていた隣の男はそれを受けてにわかに笑顔になり、身を僅かばかり乗り出して話を聞く姿勢を取った。

「確か君の世界では、魔法は存在しない架空のものという扱いだったね」
「そう、だから私の考えている魔法は、普段皆さんが使っているものとはちょっと意味合いが違います」
「そうだね、私達がペンを振り、火や水を出すあの感覚のことを言っている訳ではないことは分かる。だがもう少し精査したいな。何か他に、君の思う美の比喩に足る言葉はないだろうか?」

 そうですね、と呟きながら監督生は沈黙した。美の話を聞くために自腹を切ったルークは勿論のこと、同席したヴィルもまた、朝食を食べる手を止めて己が思考をその沈黙に溶かした。心臓が不自然に大きく揺れているのをヴィルは感じ、呆れようとした。おかしい。緊張する必要など何処にもないはずなのに。
 真面目に問答に応じる姿勢は好ましい。腹心たるルークの妙な拘りにも怯むことなく独自の思想を展開できるその度胸と信念は好ましい。
 でも。

「『幻術』と、同じような感じだと思ってもらえると分かりやすいかもしれません」
「……随分な言い様ね。まるでアタシ達が、人を騙して美しいと思わせているみたい」

 美と同義のようなものであるとして魔法、更には幻術という言葉まで出してきたことに、ヴィルの平静はぐらりと揺らいだ。思わず口を挟んでしまったことに気付いて失敗を確信するのと、彼女が「あっ」と声を漏らして顔を青ざめさせるのとが同時だった。「おっと失礼、怖がらないでおくれ」とルークが間に入ってくれたことにヴィルは心から感謝した。自分だけではこの凍り付いた空気を元に戻すのは難しかっただろうから。

「私達のいるこちらの世界では、幻術とはありもしないものをさもあるように見せることを言うものだから、つい気持ちが高ぶってしまったようだ」
「ち、違うんです! 先輩たちが目指しているものを貶めようとしている訳じゃないんです」

 ヴィルは己が発言をひどく悔いた。たかだか一人が為した、たったひとつの形容に目くじらを立てるなんてどうかしていると思った。心臓は先程よりも更に大きく揺れていて、落ち着かせることは困難を極めそうだった。きっとこの心臓の揺れはルークに「見られている」のだろうなと思い、恥ずかしくなった。恥ずかしいという感情を抱いた自分を認識し益々狼狽した。
 このことが将来、弱点として己を苦しめはしないだろうかとヴィルはにわかに不安になった。「この子の思う美に共感できないこと」が此処まで己が平静を奪っていくとは思いもしなかった。理由も分からないままにヴィルは茫然とした。そんな彼の前で彼女は必死に、言葉を紡いだ。

「ただ、美しさは熱さや重さのように定量できないし、不確かで曖昧で移り変わるものなので、……私の世界では、芸術を生業としている方々であっても、美しさについて説得力のある言葉で説明できる人はごく稀だったんです」
「ああ、そうだろうね」
「だから、私を含めたその他大勢の人間の中にはそうした、言葉で説明しきれない訳の分からない感動や熱狂や畏怖を、魔法とか幻術だとか、そういう風に呼びたくなってしまう場合があると……そういう話をしたかったんです。先輩たちの奮励の先にあるのが下らない虚構だなんて言うつもりはありません」

 そういえば、監督生の世界には「人間しかいない」のだった、ということをヴィルはふと思い出した。獣人も人魚も妖精も、ゴーストでさえ架空のもの。魔法も幻術も全て机上の空論、現実になることのない夢物語。そんな日々はひどく平坦で画一的で、退屈だろうな、とヴィルは想像した。退屈でつまらない日々であるが故に、ないはずの魔法や幻術をあるように思いたくなるのも致し方ないだろうなと思えた。
 そして、そうした夢物語の宿る場所として「美しいもの」が選ばれているのなら、それは美への奮励を怠らないヴィルやルークにとっても光栄で、喜ばしいことだろう、きっと。

「ええ大丈夫、分かったわ。噛み付くような真似をしてごめんなさい」

 これまで生きてきた世界と、その言葉に込める思いがそれぞれ捻れすぎていたせいで、誰も何も悪くないところで憤ってしまいそうになっただけ。そう判断し、その推測が自らの心からの思いになるまで思考を巡らせてから、ヴィルはそう告げた。監督生はほっとしたように微笑んでから、少し湯気の弱くなったミネストローネの残りを、一滴も残さぬという少々意地汚い気概と共に飲み干していった。
 相手の憤りに気持ちを向けられる人は好ましい。相互理解のために言葉を尽くすことを厭わない人もまた好ましい。

「ところでこの男、毎日のように何かにつけて、美しい美しいと連呼してくるのだけどね?」
「……ふ、あははっ! はい、それはもう! たまにしか会えない私でさえ聞き馴染んでしまった言葉ですから、ヴィル先輩はきっともう耳にタコが出来る程に聞いているんでしょうね」
「そんな彼はアンタの考えで言えば、美しさという幻術に嵌まりやすい、容易い人間だということになるのかしら」

 あくまで監督生の表現に寄せる形でヴィルはそう尋ねた。彼女はクスクスと笑いながら、先程よりも随分と気軽な心地で言葉を紡いでくれた。不本意な形で彼女を威圧してしまったという失敗が、彼女の持ち前の明るさですぐに過去のものとなってしまったことにヴィルは心から安堵した。心臓はいつの間にか、落ち着きを取り戻していた。

「美しいと思ってもらうためには、見てもらわなければいけません。相手の五感のいずれかを捉えることで初めて、美という魔法を掛けることができるんです。その点でいえば、ルーク先輩は確かに美に見初められやすい生き方をしていると思いますよ。先輩はいつもいろんな人やものを、相応の興味と関心をもって、とてもよく見ていますから」
「興味と関心、それが美しさを感じるための最低条件だと思ってるってこと?」
「最低条件……そうですね、スタートラインだと思っています。ルーク先輩は美という……魔力のあるものを『捕らえる』のが得意なように見えますね。印象としては、スタートラインに導かれているのではなくて、自ら飛び込んでいるような感じです」
「実に興味深い意見だ! 自腹を切った甲斐があったというものだね」

 美しいものには人を圧倒させ、惹き込む力がある。そういう意味において監督生の「美の持つ魔力めいたものが人を圧倒しに掛かっている」という、美自体に主体性が宿っているような物言いはヴィルにとっても納得のいくところで、心地が良かった。その上でこのルークという男がやっているのは、それが観察であろうと探求であろうと「美を自ら握り込もうとする行為」には違いなく、その場合の主体性はいつだって、あらゆるものに興味と関心を向け続ける彼の側にある……という意見を、ヴィルも確かに興味深いと感じた。
 ……やはり失礼なことではあったが、この監督生が、常日頃から美に対する考えの基盤をしっかりと固めているようには見えなかったため、この朝食の席に着いてからというもの、ヴィルは驚かされっぱなしであった。勿論、いい意味での驚きには違いなかったが、これを気に監督生への印象を改めなければいけないなと、彼女が一言発する度にヴィルは思い直している。
 正しいか否か、共感を得られるものであるか否かにかかわらず、自らの価値観をしっかりと固められている人は好ましい。

「私が、美を魔法だとした理由はもう一つあって」
「聞こうじゃないか、トリックスター」
「……美しさは魔法のように、いつか『とける』ものだと思っているんです」

 彼女はそう言いながら、食後のコーヒーに何も溶かさずブラックで飲んだ。一口に流し込む量がやや多いように思う。美しいと呼べるものではなさそうだった。けれども勿論、不快ではなかった。

「魔法に掛かっている間は私達、そのものに宿る美しさを信じていられます。でも人って気紛れだから、ふいに興味を失ったり、たった一つ気に入らないところを見つけたり、あるいは他にもっと衝撃的なものに出会ったり……そういうもので、変わっちゃうんですよね。美しいと思うものも、その優先順位も、呆気なく。目が覚めるように。魔法がとけるように。まるでその人の中ではそんな美しさ、最初からなかったかのように」
「ふむ、私には理解しがたいが……多くの、美の鑑賞側に回っている人々にとっては、そうした姿勢が一般的であるのかもしれないね。続けて?」
「……時代の流れにせよ、自らの失態にせよ、観察者の気紛れにせよ、懸命に磨き上げてきた美しさが、そんな形で損なわれてしまうことが私はとても怖い」

 またしても失礼なことであったのかもしれないが、この監督生の口から「嫌だ」ではなく「怖い」という言葉が出てきたことにヴィルはやはり驚いてしまった。入学直後から、リドルやレオナを始めとした、一癖も二癖もある寮長達に、魔法の使えない無力な身で言論による突っかかりを見せてきたという話はヴィルの記憶に新しく、いずれ我がポムフィオーレ寮でも彼女は豪快に暴れることになるのではないかという漠然とした予測があっただけに、そんな彼女と「恐怖」はヴィルの中でどうにも上手く馴染まなかったのだ。

「私は幻滅されたくない」

 幻滅。幻が滅すること。すなわち彼女の言葉に則するなら「魔法がとけること」だ。
 彼女は恐れを知る人であり、しかもその恐れは自らの身が窮地に晒されることや地位の失墜などではなく「自らの奮励と矜持を軽視される」こと、および、それによる幻滅……「魔法がとけること」に向けられている。その事実は驚きを通り越し、ヴィルにある種の感動さえ与えた。

「でもこんな気持ちは私に限らず、皆さん……特に奮励の寮に属している方なら多かれ少なかれ持っているんじゃないかと思うんです。大事なものに対する愛着や誇りがあるのなら、それが損なわれることに恐怖するのは無理もないことですよね」
「……そうね、認めるわ。アタシ達は大事にしているものを損なわれることを嫌がるし、恐れている。だから磨き上げるのよ。誰の目も逸らさせないよう、徹底的にね」

 ヴィルの肯定に彼女は一瞬、ほんの一瞬だけぱっと笑顔を咲かせた。コーヒーカップを置く音はやや大きく、その所作は優雅とは程遠く、美しいはずがなかったにもかかわらず、目が離せなかった。声にこそ出さなかったが、嬉しそうに緩んだ口が小さく「おなじだ」と動いたような気がして、ヴィルの心臓はまた跳ねる。
 けれども監督生はその視線をすぐに、射止められたように固まってしまったヴィルから、パテを食べるためにナイフとフォークを構えたルークの方へ、さっと移した。そして先程の笑顔とは似ても似つかぬ、羨望と……ほんの少しの嫉妬が混じっていると思しき、けれども底抜けに楽しそうでもある、そんな笑みを浮かべて、こんなことを言った。

「ただルーク先輩には、そうした恐れが微塵もないように見えるんです。有り体に言えば、こう、美に対してあまりにもノーガードで飛び込みすぎている、というか……」
「その通りだよトリックスター、私は君が抱くというその恐れに馴染みがない。その情動をロジックとして理解することはできるけどね。恐れを知る人からすれば、私のこれは無謀とも愚行とも取れるのかもしれない」
「私は、羨ましいと思います。『幻滅』というものを知らず、あらゆるものに対して美しいと称賛する心なんてもの、私には逆立ちしても会得できそうにありませんから」
「おや、それは光栄なことだね!」
「……本当ですよ? 貴方のような目で美を見ることができたらって、心から思います。先輩が持っていて私が持っていないものについて、何度か考えてみたりもしました。それでふと思ったんですよね、ルーク先輩にはそもそも魔法が掛かっていないんじゃないかって」

 監督生の語る魔法、それは美の持つ力、相手を圧倒し感動し惹き込む力と解釈して相違ないだろう。ルークがそれに掛かっていない? そんなことはないはずだ。美に惹き込まれる前に自ら飛び込んでいるようなこの男が、美の「魔力」の影響を受けていないはずがない。
 そうした自論に基づき、ヴィルはすぐにでも反論したかった。けれども彼女の言葉の続きを聞きたいという心持ちがそれを上回ったため、喉まで出かかった「それは在り得ないわ」という文句を引っ込めた。ルークもまた、パテの数センチ上にナイフを構えたまま、監督生の方を真っ直ぐに見ていた。次の言葉を望む二人によって作られた沈黙は、何故だか心地が良かった、とても。

「先輩は美が損なわれることを恐れていない。先輩は美という魔法に掛かっていない。先輩は幻滅を知らず、そこを飛び越えた先まで見て『美しい』と言っている。そのように仮定するなら、美を捕らえているはずの先輩が発する『美しい』は……一般的な称賛の言葉とは意味合いが全く違ってくる」
「聞こう」
「……私には、愛の言葉に聞こえました。幻滅の向こう、魔法のとけた先にある賛美はもう、愛に変わるしかないと思うから」

 幻滅の向こう側に辿り着いた美は、愛に変わる?

 カチ、とらしくない食器の音が隣から聞こえた。力加減を誤ったナイフはパテを勢いよく突き破り、皿とぶつかって小さな甲高い悲鳴を上げていたのだ。失礼、と音を立てたことに対する謝罪を紡ぎながら、けれどもその視線は監督生へと固定したままに、ルークはすっと目を細めた。

「トレビアン」

 低い声で小さくたったそれだけ呟く、ともすれば威圧的とも取られかねないその様は、けれどもルーク・ハントという人間が示し得るありったけの誠意であると言っていい。遥か遠くの獲物を射抜くことに長けた、生まれついての狩人であることを示す彼の優秀な目。それを細めなければ見えないものが相手の中にある。だから彼は監督生から目を逸らさないのだ。逸らせないのだ。
 もしかしたら今この時、ルークの目にこの少女は「美しく」映っているのかもしれなかった。

「では私の『愛の狩人』という代名詞は、君にとっても非常に納得のいくところである訳だ」
「そうですね。愛をもって美を捕らえているという意味で、これ以上ないくらい先輩に似合う言葉だと思っています。……というところで、どうですか? 奢っていただいた朝食の分と私の話、ちゃんと、釣り合いは取れましたか?」
「勿論だとも! 君はどうだい?」
「それはよかった! 精一杯背伸びをして、私に思いつく限りのことを話させてもらったので、これで足りないと言われてしまうともうどうしようもなかったので……。私は美味しい朝食にありつけた時点で大満足、十分過ぎる程の黒字です。ご馳走様でした」

 そっと手を合わせて満面の笑顔を湛えた彼女は、グリムを探しに行きますねと告げて荷物をまとめ始めた。魔法の使えない監督生は、あのモンスターとペアを組んだ状態でなければ多くの授業が立ちいかない。一限目は魔法史のため魔法を使う機会はないはずだが、出席数も二人一組でのカウントのため何としてでも引っ張っていかなければならないのだとして笑っていた。妙に得意気な表情から察するに、彼女はグリムとの「追いかけっこ」で負けたことがないらしい。傍目には全くそうは見えないが、外でぶつかったときに感じた体幹の良さといい、彼女はフィジカル面をかなり鍛えているらしかった。

「ヴィル先輩、つまらないお話を聞かせてしまってすみませんでした。嫌な気持ちになりませんでしたか?」
「……いいえ、とても有意義な時間だったわ。アンタのこと、沢山教えてもらえたもの」

 角の立たない言葉を選んだ訳ではなく、紛れもないヴィルの本心だった。今日の会話の中で何度、監督生への印象が塗り替えらえたか知れない。何度塗り替わっても損なわれることのない彼女の「好ましさ」は心地よく、叶うことならもっと聞いていたかったとさえ思えた。
 けれども監督生はヴィルのそうした言葉を受けても尚、不安そうに眉を下げて苦く微笑むばかりだった。世辞だと思われているらしい、ということは容易に察しが付いたが、その誤解を払拭できるような信頼関係をヴィルは彼女との間に築けてはいなかった。理解を乞うために言葉を尽くすための時間も、今すぐにでもグリムを探しに行かんとしている彼女には残されていなかった。だからそのまま、見送るしかなかった。

「忙いでいるときにすまない、私からもう一つだけ問うてもいいだろうか」
「ふふっ、どうぞ? 手短にお願いしますね」

 だがそんな彼女の事情にさえ飛び込んで我を貫こうとするのがルークという男である。手短に、という注文を受けたからだろう、彼は早口で一気に最後の質問を投げた。

「君は美についてとてもよく考えているように見えるが、その美意識を注ぎ込む先が君の周りにはついぞ見当たらない。君は一体、何を思ってそれだけの矜持を抱え持っているんだい?」

 立ち上がり、鞄を提げるところまで動いていた監督生が、その言葉を受けてぴたりと静止した。二人ともが彼女の次の言葉を望んでいたため、先程と同じように沈黙は極自然に下りてきた。
 彼女は素早くヴィルを一瞥してから目をきつく閉じ、深く呼吸をしてから笑顔になって、そして。

「此処では言いたくありませんね。また別の日に、今日より更に豪華な食事を奢ってもらえるのであれば、お答えしますよ。では!」

 カタ、と、今度はヴィルが音を立ててしまった。美しさとは程遠い、あまりにも乱暴なカップの置き方だった。置いた、というよりも、落ちた、と表現した方がいいとさえ思える有様だった。八割がた飲み干した後の僅かなコーヒーが、白いカップの奥底でゆらゆらと波紋を立てていた。失礼、と謝罪を紡ぐことさえできず、彼はただ愕然とした表情で監督生を見た。
 此処では言いたくない。それは明らかに、ヴィルの前でその話をすることを避ける姿勢だった。ルークには明かせて、ヴィルには明かせないものが監督生の中にある。その事実はヴィルの何かをとてつもなく傷付けた。「美しい」で検索をかけてその筆頭にネージュの名を聞く、あの時とは全く異なる質の痛みであった。ネクタイを締め直す振りをして深く俯き、首元に指を添えてぐいと押し込み、気道を塞ぐようにしてこの謎の痛みを紛らわせた。
 何故こんなに動揺しているのだろう。何故こんな風に苦しまなければならないのだろう。

「今日はずっと心拍が乱れていたね、毒の君」

 食堂を出ていく彼女の背中を見送ってから、ルークがぽつりとそう告げた。まったくもってその通りだと、ヴィルは溜め息を吐いた。苦し紛れに笑みを湛えることもできたかもしれないが、この狩人には一瞬で見抜かれてしまうだろうから、同じことだったのだ。

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