3/9、雪村さん

こんにちは、雪村さん。遊びに来てくださりありがとうございます。
お返事、遅くなってしまい申し訳ありませんでした。

素敵なエンターテイメントとの出会いって、ずっと覚えてしまっているものですよね。
そ、そのサクラダリセットの「素敵」の隣に私のあれやそれを並べてしまうのはいささか大袈裟な気もしますが……けれどもこみ上げてくる喜びはどうしようもありません。
あのように、とはいかずとも、私の書いた物語や私の言葉が雪村さんの心を揺らすことが叶っているなら、とても嬉しく、誇らしいことです。

折角なので、私が誇っている素敵な出会いの話をしましょうか。
青い鳥文庫が出版している「夢水清志郎事件ノートシリーズ」というものに、私は小学5年生の頃に出会いました。
特に哲学的であるとか、今の私が好む重く暗い話であるとかいうわけではないのですが、それでも、この物語との出会いは私にとって宝物です。
「小説」に心を揺さぶられたのは初めてのことでした。本の中の人物に恋をしたのも初めてのことでした。
私もこんな物語を書いてみたい、と思わせてくれた出会いでした。

『僕は僕のために革命を起こします。僕と、僕の大好きな人達が幸せになれるように、革命を起こします』

これはシリーズの中でも7巻目か8巻目くらいに出てくる「教授」の台詞です。
町の人を守るため、皆が幸せになれるようにするため。そうした「立派」な理由を彼は絶対に語ろうとはしませんでした。
彼は狭く狭く世界を閉ざし、その世界の狭さを誇るように、「僕と僕の大好きな人のため」だけの革命を唱えました。

小学校の道徳では、皆のためにとか、全員で仲良くとか、そうしたことを教わりますよね。私は馬鹿正直にそれらに従順でした。そうした子供時代を過ごしていました。
ですから、私の大好きな彼がそのルールを綺麗な言葉で破ったとき、有り体な言葉ですが、本当に、本当に「かっこいい」と思ってしまったのです。
自身の本音を貫き、自身の意思を愛するようにそれらを歌った彼のことを、益々大好きになってしまったのです。

今、私は引越を経て新居で暮らしていますが、そこの自室に設けた小さな本棚の一角に、ちゃんと夢水清志郎事件ノートシリーズが一冊も欠くことなく在ります。

……と、少し喋り過ぎてしまいましたね。申し訳ありません。

「小説を書き始めた時期」は小学5年生の頃、メモ帳にちょこっと書く程度を数枚続けたくらいでした。
それから高校1年生の頃に、父が使わなくなったノートパソコンをワープロ代わりにして、
ポケモンやテニスの王子様といった世界観がお借りした物語を書いて遊んでいました。
高3の頃に戯れでネット公開をしてみたものの、勿論受験でそれどころではなく、
1年の沈黙ののちに2012年、今の、憑りつかれたようにあらゆるものを書いてしまう怪物めいた私が出来上がりました。

他者に見ていただく物語とはどうあるべきか、と考えながら沢山、沢山、書いてきましたが、
それでもお金を取っていない以上、他者の視線をいい意味で意識しながらも、それでもやはり私の書きたいように書こうという結論に今では達しています。
そのような、自己中心的な考えでいなければ、なかなか、好きなことって続けられないような気がするのです。
趣味は奉仕ではありません。私のための作業です。最終的にはこのサイトだって、私が喜ぶように帰結しているに違いないのです。

……?
……なんだか、ごめんなさい。今日は話し過ぎていますね。
久しぶりにお返事をじっくりと書ける時間がたっぷりあるため、喜び勇んでテンションがおかしなことになっているようです。

そうそう、隔離サイトの件でした。
更新履歴にもちょこっとだけ書かせていただいたのですが、先週末に完成いたしました。
メニューから入れるいずれかに入口を、同じくメニューから入れるいずれかにパスワードを記載しています。
3月16日時点では、Searchに入口、Noteにパスワードがあります。(この場所やパス内容は不定期に変化します)
しつこいくらいに警告を敷いているのでうんざりされてしまうかもしれませんが、
もし興味があり、閲覧による不快感をご自身で片付けられる場合にのみ、どうぞご覧ください。
此処には旧サイトにおける「××」のような私がいます。これこそがきっと、私のありのままなのだと思います。

最後に、素数の話について。
楽しんでいただけたようで私も嬉しいです。ようこそ、素数の世界へ!
いえいえ、私も理系の皮を被ったド文系ですので、数学は全くできていなかったのですよ。
でも、意味をしっかりと解せなくとも、真理に辿り着けずとも、「美しい」という感覚は得られます。
素数における美の門扉は多くの人に開かれています。そういう意味でもやはり素数の偉大さを感じずにはいられませんね。

その門扉を潜るために、数学の成績も大仰な覚悟もきっと必要ありません。
今回の雪村さんのように「そういえばこの人、素数好きだったな」というような気軽な気持ちで話題にちょっと出してくださるくらいで、いいんです。
本当に、それだけでいいんです。とても嬉しかったんですよ。あとは任せてください、私が引きずり込んで見せますので(?)

では、ありがとうございました。
また、お会いしましょう。

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