1/17、夜那さん

 こんにちは夜那さん! いつも遊びに来てくださりありがとうございます。
 北の路面凍結というのはなかなか太平洋側在住民には想像がつきにくいのですが……あれで沢山事故が起きていることを考えると決して軽く見てはいけないものなのでしょうね。重量が相当にある車などが悲惨な目に遭うのは「ああ確かに」となるのですが、歩行でもよく滑ってしまうものなのでしょうか。いやでもスケートと同じ原理だからそりゃそっか……などと一人合点しておりました。とにかく、くれぐれもお気を付けくださいね。

 今年の抱負ですか! そうですね……今は人生の岐路に立たされているような気がするので、とにかく治療を成功するなり失敗するなりして「どちらかに舵を切る」ことを目標としておこうと思います。私としては、今更、裕福になりたいとか何らかで大成したいとかいう気持ちは特にないのですが、今の、どうにもならず高額のガチャばかり引いて(だからその表現やめろ)心身共に疲弊していくだけの日々はもう今年で終わりにしよう、だから今年いっぱいくらいまでは心を折らずに頑張ってみせるぞ、という心持ちです! ……ふふ、聞いてくださりありがとうございました。
 学生の頃は自由に使えるお金というのは確かに貴重ですよね。破産せず一年を乗り切れるよう私も願っております!

 ふっふふ夜那さんまたしても神の国ベタ褒めありがとうございますうれしうれし……。
 女の子側についてのご言及もとても嬉しかったです。そうですね……神の国の女の子と犠牲の男の子(?)は、どちらも「何故この学園に入学しようと思ったのか」をぼかしています。アズールもジャミルも、その「何故」にだけは決して踏み入ろうとせず秘密を尊重する関係として落ち着いてほしいなという考えではいますが、その秘密を開き合える唯一の関係として、あの二人が入学直後からこっそりと繋がっていたりしたら面白いかな、とは……ええ、神の国執筆開始時点の構想としてぼんやりとありました。
 結局、神の国をそこまで長々と書くだけの気力に欠き、あのような独立した形になりましたが、二つの物語を女の子同士で結ぼうとした、その名残は、神の国あとがきの更に下、蛇足欄にちょっぴり残っていますね。
 更新の確約はできませんが、神の国の女の子のその後を「犠牲の男の子」が語り、犠牲の男の子のこれまでを「神の国の女の子」が語る、という番外編があったら楽しいかもしれない、という思いから、ほんの少しだけ書き始めています。いつか完成できるといいですね。

 それから「死」についての夜那さんのお考えも興味深く拝読いたしました。【あまり経験のない事】と仰っていたのですが、私も学生の頃は確かにそうでした。そして今もマーキュリーロードのミヅキのように「私も死んだら大事にされるかしら?」という子供じみた惨い考えを手放せずにいます。ただそれ以上にここ数年は、親族であったり祖父であったり愛猫であったり××であったりと、身近なところで強烈な喪失と、それに嘆き悲しむ人の姿に触れるということを経験しすぎたためか、死というものに触れたり考えたりすることに「思い出したくないから今はやめておこう」と逃げ腰になっているような気がします。
 こればっかりは私の思想によるものとかではなく「思い出すのが辛い、だからしばらくお休みする」というだけの、保身? のような行動なので、今の夜那さんにはあまり参考にならないかな? と、とにかく、一歩引いたところから死について沢山考えられる機会というのはとても貴重です。経験がないというのは自由に思考を巡らせる上でとても重要なことだと今なら思えます。是非大事にしてくださいね。

 

 さて5章の話をしましょう。
 ヴィル様ですが、正直、合宿が始まった前半2の辺りから「ミヅキみたいだ」と感じてしまっていました。十分、輝ける位置にいるはずなのに、自分の欲しいものはこれではないと突っぱねて「最後まで舞台に立っていたい」という己が願いのため、正当な努力で、まっとうに自己を磨き続ける姿はそれはそれは美しいものでしたが、同時に少々、痛々しさも覚えましたね。
 ただヴィル様は自身の影響力に十分な自覚があり、自分が導けば最上の結果が出ると信じていました。エペルへの執拗な指導の辺りは「すげえ自信だな」と若干引きがちにさえなってしまいました。自分には大勢の支援者がいる、支持者がいる、味方がいる、仲間がいる。だから負けるはずがない。どんなものでも使って力に変えて絶対に欲しいものを手に入れる。……という心地は、あのマーキュリーロードの小石にはなかったものです。
 ミヅキには自分が「宝石」であるという自覚がなく、自分の味方などいないという絶対的な不信のもとに動いていました。「端役でもいいから舞台に立ちたい」などと願い続け、馬鹿なことを繰り返し……そして最終的に彼女を満足させたのは「眠る」「ウルトラスペースを住処とする」という、強烈なインパクトを残す特別な役でしたが、そんなものは「自ら舞台を降りる行為」であり、周りに「馬っ鹿野郎が!」と言われても仕様のない有様でしかありませんでした。散々暴れておきながら、ミヅキはヴィル様のように、絶望しきったところで他害を働く度胸さえなかったんです。そういう意味でも、ミヅキはどこまでも小石でしたね。

 私個人の感想ですが、ヴィル様の持つ強烈な自信、それを裏付ける努力、高いプライド、エペルに向けたド正論、主人公という「最後まで舞台に立てる役」への執心……は勿論、素敵なことだと思うのですが、私は「それ以外」のところが彼へのいい印象として残っているんですよね。具体的にはヴィル自身への絶望、自身が孕む醜さへの絶望が故に、醜い「アタシを見ないで」と言いながらオーバーブロットするシーン。そんな醜さに自ら絶望しておきながら、いざオーバーブロットした後は「舞台ごと壊してアタシが一番美しい存在になってやろう」とする、急遽鬼にでもなったかのような強欲の露出と大暴走を見せてくださいましたよね。いやぁ、わくわくしました! 彼、自分の美に自信があった頃は他人を蹴落とそうなどと考えもしなかったはず。でもオーバーブロットにより醜さを知ってからの彼の思想は最早凡百のそれです。あいつを蹴落としてのし上がってやろうと考える、どの業界にもありがちなやつです。勿論それが悪いことだとは思いません。実に一般的な生存戦略であり、自身とストイックに向き合い続けたヴィル様の気高さこそが異質でしょう。絶望という毒がなければこの気高い人は凡百の心地を味わえさえしないのか……と、彼の異質性をあらゆる意味で噛み締めることができた、インパクトの大きなオーバーブロットでしたね。

 マレウスの招待状のシーン、あと監督生がネージュのところに向かうヴィル様を見て夢の内容をふと思い出すシーンなどは、この異分子の介入によって物語が今後も捻れていくぞと印象付けられているようでちょっとぞくぞくしましたね。どうなっていくんでしょう……。
 あと、これはもう愚痴になってしまうのですが「お前もうほんと何なんだよ!」という心地に関しては今回(いや今回に限ったことではなかったな!)、誰よりも監督生に一番抱くことになりました。時折出てくる選択肢、本当に勘弁してほしい……と何度思ったか知れません。ただそれは「私(プレイヤー)は監督生ではない」とみなすことで他人事として片付けられるレベルなので、あまり気にしないようにしましょうか。

 

 ふっふふ実は私、約ネバがジャンプ連載であることを読み終えてから知った人間でしてね……。自体をあまり読まないのですが、女性の主人公は確かに珍しそうですね。そっそりゃあそうだ少年漫画ですものね!
 この漫画、全編通して「心地よく読めた」という印象がとても強く、なんでだろうなんでだろうと色々と考えていたのですが、女の子一人、男の子二人というメイン格でありながら、恋愛描写がほぼ皆無であったことというのは確かに大きな要因でしたね! 三人いる中で生まれる恋愛模様なんて9割8分ろくなものじゃありませんから。
 以下、私が感じた心地よさのもう一つの原因についてちょっと長めに書かせていただいています。軽い気持ちでざっと目だけ通していただければ幸いです。

 漫画読了から1か月くらい時間を置いた後でふと感じたことではありますが、こちら(読み手)の許せる許せないという感情に関わらず、エマは彼女なりに考えた上で全てを許していきましたよね。「いやこいつを野放しにするなんて信じられない」と読者は少なからず釈然としない心地を抱くはずですが、それでも作品自体にヘイトが溜まらないのは、許された側の存在が何らかの形で死んでしまうから、というのが大きいんじゃないかなと個人的には考えています。しかも、なんだかとっても「泣けてしまう」状態で。
 ……イザベラとピーターがその最たる例だと思うのですが、エマのあの許し方には、許された側に「自ら償いを起こさせる」力があるような気がしています。イザベラはエマを護る形で、ピーターは自害という形で死亡しましたが、あの行動を起こさせたのは(嫌な言い方ですが)エマの「許すよ」だったように見えました。とんでもないことをしたにもかかわらず許されてしまう人物は、その魂にある程度の善性が宿る限りは「償わなければ」という何らかの危うさを抱くものであり、その危うさが故に物語の中で受ける「報復(死)」は、悲しいものではありますが同時に、読者の溜飲を下げます。
 これ、ツイステ4章が真逆を行っているんですよね。カリムの「許すよ」に対してジャミルは償いを起こそうなどとは微塵も考えておらず、続く5章でもあの厚顔っぷりです。ではプレイヤーの「釈然としない心地」はどこで片付くのかと言われればおそらくバトル後のジャミルの回想部分だと思うのですが、あの回想を踏まえても尚「お前もうほんと何なんだよ!」と思わせるその後の態度であるが故に、私の溜飲は下がらないままなのでしょうね。彼に安心できる点があるとするならば、危うさがないが故に「死ぬことがない」という、これに尽きます。4章終了直後は「生き残ってしまったけれど君は本当にこれでよかった?」と随分悲しい気持ちになったものですが、きっとこれでよかったのでしょう。彼が生きるためには、カリムの「許すよ」を跳ね除けて「厚顔」になるしかなかったんです。
 ……おっと、気の向くままに書いていたのですが、私の考えをまとめさせていただいたことで、またジャミルへの「お前もうほんと何なんだよ!」に対して更に折り合いをつけることができたような気がしますね! 長々とした文になってしまいましたが、読んでくださり本当にありがとうございました。

 最後になりましたが、ご希望お知らせくださりありがとうございます! ヴィル様のお話、今から書き始めるのが楽しみです。どんな感じにしようかな……。少し長めにお時間、頂きますね。
 ではでは、ありがとうございました。またお会いしましょう!

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