こんにちは、午睡さん! メールありがとうございます。今回も楽しく読ませていただきました。
お言葉に甘える形で、ちょっとお返事まで長めにお時間頂戴しました。ご配慮本当にありがとうございます。
さてさて、アルセウスですが「てんかいのふえ」を手に入れるところまでクリアされたとのこと、おめでとうございます! プレイ記の執筆が全く追い付いていないのですが、こちらもポケモン図鑑を完成させてアルセウス氏への謁見を果たし、アンノーンの調査メモ解読に勤しんだりなどしていて、メインの目標である「ポケモン図鑑完成」は概ね果たせているんじゃないかなと思います。流石に全てのポケモンを研究レベルMAXにするところまではいけておらず、レベル10止まりではあるのですが、たっぷり60時間以上はヒスイで遊び尽くせたので大満足です。いやほんと、楽しいゲームでしたよね……!
BGM、初っ端のトレーナー戦から既にかっこよかったんですよね。コマンドを放棄して聞き入ってしまうお気持ちものすごく分かります。黒曜の原野でハクタイの森の音が聞こえてきた時もやっぱりテンション上がりましたよね。北にキッサキ神殿、南東にズイの遺跡、海側に火吹き島など、それぞれシンオウ地方を連想させる施設や地形が残っていることは視覚的にもある程度分かるようにはなっていますが、そういった特徴が残りにくい黒曜の原野ではBGMでアプローチを仕掛けて来るんですね。そうかそうかしてやられたぞ、油断ならねえ……などと感動しておりました。
フィールドでは常に曲が流れている訳ではないので、耳に飛び込んでくる曲は印象に残りやすいですよね。おやぶんポケモンに近付いた時の緊張感ある音もなかなか印象深く、忘れることができずにいます。見つかるなよいいか絶対見つかるなよ、みたいな、ジェンガの危ないところに手を掛けているような(?)ひやっとする感じが表現されていていい感じですよね。
ストーリーについてのお話もありがとうございます。シンジュ団のキャプテンたちにイッシュの面々が偏っていたなあという印象だったのですが、アローラやジョウト、ホウエン(ムベさんの忍者姿ほんとびっくりしましたよね! ミツルくんいたんですか、って思わず声に出してしまいました)の要素も少しずつ散りばめられていて嬉しかったですね。まさかアローラロコンがやって来てくれるとは思いもしませんでした。キュウコンに進化させて大活躍させてあげたい気持ちもあるのですが、ちいさいふわふわのままいてほしい欲もあり……あ、アローラロコンも大量発生してくれたらいいのになあ。
そして「ウォロさんについて」と「セキ・カイの選択」という、私自身が午睡さんと議論したかったところをピンポイントで二つ話題にしてくださり大歓喜してしまいました、ありがとうございます!
まずセキ・カイのあれですが、私もセキを選びました。理由も概ね午睡さんと同じですね。あのような形でコトブキムラを追い出され、頼った先のキャプテンたちにも「どうすることもできない」と言われ、相変わらずウォロさんは怪しいし、コギトさんは会ったばかりでどんな人か全然分からないし……という状況にあっては、流石にカイの手を取って「励まし合う」みたいなこと、多分できないだろうなと思っちゃったんですよね。
頼もしさの根拠はなくとも、ただ同行してくれるだけであったとしても「まあ何とかなるだろう」「気にするな」と大きな言葉で鷹揚に構えてくれる人がこの時点での主人公には必要だったに違いない。というような確信のもとにセキの手を取りました。
ストーリーを見る限り、彼女に主人公の不安を受け止め励ます技量はとてもではありませんがなさそうでしたし、むしろ主人公の側が励ますことになってしまうのでは、とさえ考えてしまって……ムラを追われて居場所を失くした主人公にそこまではさせられないな、と思ったんですよ。そういう意味で考えるなら「セキを選んだ」というよりは「カイを選べなかった」と書いた方が私の本音に近いのかもしれません。カイとは、主人公の心にいつもの余裕と平穏が戻って来た頃にまた、ゆっくりお友達になっていければいいのかな、という気持ちでしたね。
ウォロさんについては(草を失礼します)「ちょw アルセウスのコスプレじゃねーかww」などと爆笑していたのですが、解像度の高いグラフィックにより彼の目が「本気」であることが読めてしまって、ああもう本当にアルセウスを(髪型がおかしなことになっているという自覚さえ持てないほど)崇敬してしまっているんだな、と感じ「そうか、貴方そこまでアルセウスを……」「いやでもその髪型はちょっともう、正気に戻った方がいいと思うの!」という、二つの意味で胸が締め付けられましたね。
序盤から、主人公の調査が躓きかける度に姿を現し道を示してくれた彼ですが、そのタイミングが良すぎることから「貴様見ているな!?」と警戒してはいたんですよ。ただそれはプレイヤーのメタ視点であり、主人公からしてみれば、特にムラを追われた段階で声を掛けてくれた彼には……本当に、感謝の気持ちしかなかったと思います。ED後のプレート集めについても、あくまで「親切なお兄さん」と一緒にヒスイの謎を解いているという楽しい気持ちがほとんどだったんじゃないかな、とも。プレイヤーの側ではプレート集めの時間、ずっと「おい大丈夫か」と「どのタイミングで主人公を利用しようとしてくるのだろう」と冷や冷やものだったのですが、若干15歳(原作での見た目年齢なので実際はもう少し前後しそうですが)の女の子にそこまで人を疑える力はおそらくありませんよね。だからこその、槍の柱から立ち去るウォロを黙って見送るときの、あの悲しそうな下がり眉だったのだろうと推察しています。
ウォロさんがあまりにもぶっ飛んだキャラクターであったため「シロナさんの本当の祖先はウォロさんではなくコギトさんなのでは?」という考察もSNS上でよく見かけるようになりました。そちらが真実であってもたいへん面白いなとは思うのですが、私自身は「血の繋がりはなかったとしても、魂の部分で何かしらウォロさんとシロナさんには強い結びつきがあるはずだ」と考えています。
あのちょうかっこいいBGMと、シロナさんとほぼ被っている手持ちの面々から、無関係ということはまずなさそうなのと、ウォロさんを動かし続けた原動力である「好奇心」が、もっと良心的な形でシロナさんにも宿されていること……を、関連付けて考えてみたいんですよね。
あと、ほぼ同じ手持ちを揃えておきながら「ワタクシは一人でしたが」と孤独を強調したウォロさんの生まれ変わり、もしくは血を引いた姿が、同じくヒスイの時代を生きたシマボシさんの子孫(おそらく)であるアカギさんに「一人でないことの重要性=絆や心の在り方」を説く、という流れが……後のプラチナ世界線のアカギさんに「そんなものは今まで幸せに生きてきたと思い込んでいる人間の戯言だ!」とばっさり切り捨てられるところまで含めて、ぞっとするほどに素晴らしいなと感じたんです。アカギさんとウォロさん、重要視したものは「心を手放すこと」「好奇心に忠実で在ること」とそれぞれ異なりますが、シロナさんと主人公が「言葉で」「存在で」それぞれ示した「一人ではないことへの意義」を最後まで受け入れることができていません。そう考えると、シロナさんがプラチナの「やぶれたせかい」で向き合っていたのは、ヒスイ時代の自分自身でもあったんじゃないかな、とも読めてしまって、益々胸が締め付けられましたね。
あとワタクシ、シマボシさん大好き人間なものでちょっと彼女についても書かせていただきたいのですが……!
彼女はウォロさんと違い、登場シーンも台詞もかなり限定されていますが、その数少ない台詞の中にも彼女の良いところというか、素敵な要素がたっぷり詰め込まれていて一気に引き込まれてしまいました。
しかも「ただ良いことを言っている人」という訳でもなく「多くの人は分かりやすいものを好む」とか「批判も称賛も所詮は他人の感情」とか、情に溢れていながらも冷静に人間の性質について、良くも悪くも分析し尽くしているなあという印象があり、それが見事にアカギさんの思想と重なってしまい……ただ純粋に感動するにはあまりにも難しい奥深さが彼女の言葉にはありました。
此処まで人間の性質を知り尽くした方であれば、人間に失望を抱いてしまうような出来事が一つ二つ起きてしまえばもう立ち直れないんじゃないかなとも考えたのですが(そして今作ではそれが「主人公を利用するだけして容疑を吹っ掛けムラを追い出す上司の有様や、それに同調したように主人公を恐れる人々を目の当たりにすること」に該当するような気がしていたのですが)そんな中でも情を捨てず、人間を諦めずにいられたのは、もしかしたら主人公という「護るべき部下」との縁があったからではないのかな、とも感じました。シンオウ地方のアカギさんと主人公も、敵としてではなくもっと違う出会い方をしていたなら、彼もまた心を諦めずに済んだのではないかな、と想いを馳せずにはいられませんでしたね。
大きく変更された戦闘の仕組みに戸惑うところもありましたが、システムロード周りのサクサク感も快適で、いやに媚びを売ってきたり下品だったりただ面倒くさいだけだったりするキャラクターもおらず、昔のポケモンの世界に文字通り「飛び込んで」遊ぶことのできた、とても楽しいゲームでした。
既に何本か物語の形にはしているのですが、出産後はしばらく書けなくなってしまうと思うので、今のうちにもう少し出力しておきたいですね。
午睡さんとアルセウスの世界を共有できて、本当に楽しかったです。詳しくおはなしくださり、ありがとうございました!
子供の名前についてもありがとうございます。ゲームや創作物で主人公の名前を考えたり、ポケモンのニックネームに悩んだりするのとはやはり勝手が随分と違っていて、苗字との相性や漢字変換のしやすさや英語表記にしたときの違和感のなさなど、配慮したい箇所が次々に出てきまして、なかなかの難題となりました。丸2か月以上かけて考えた、一生に一度しかあげられないプレゼントを、いつかこの子が「この名前でよかったなあ」と思ってくれる日が来てくれたらいいな、と思っています。
そんな私事ですが、明日でいよいよ38週、本当にいつ生まれてもおかしくない時期となっておりますので、更新やお返事、もしかしたら状態によってはサイト管理自体がピタッと止まってしまうことが近日起こるかもしれません。なるべくそうなった時にはTopにお休みの旨記載するつもりではいますが、サイトが固まってしまった折には「成る程ついに来たんだなその時が」と思っていただければ幸いです。
こちらこそ、長文此処まで読んでくださりありがとうございました! 沢山お喋りできてとても楽しかったです。是非またお話、しましょうね。