そんなことよりフラダリさんを好きになってくれ!

フラダリさんだよ! フラダリさんなんだよ!(いつぞやのアクロマイスターの狂乱の再来)

いいからフラダリさんに会いに行ってくれ! XYのホロキャスターを起動させればいつでも彼に謁見できるから!
優しく「メガシンカおめでとう」って言ってくれるから! ダリの祝辞を拝聴することが叶うのだぞ! 最高では!?
そんでもってフラダリカフェにも行くといいと思う。地下にある彼のファイルを見れば彼の痛切な祈りと諦めと覚悟に触れることができるから。

「全てを失うか、一握りの何かを救うか。それを決めていいのは人ではない。ならば神の力を使おう」

ほらぁ。この人本当に、本当に神の花を咲かせたかったんだよほらぁ! こんなにも! こんなにも覚悟決めていたってのによぉ! まったくだぜ!(?)
カロスを愛しすぎたのだ。いろんなものを持ち過ぎたのだ。愛と驕りが極まって毒の花に魅入られてしまったのだ。毒の花を神の花と誤認してしまわれたのだ。
そんな悲しい英雄、あまりにも悲しくあまりにも美しい英雄、悲願を達成することなく二度と地上に出ることのない英雄。
そんな彼をセキタウタウンの穴の中から引っ張り出してすることと言えば……ええ、もう一つしかありませんよね。

「カロスに生きる大勢の人物を救うためのこれまで生きてきたあまりにも立派な男性のところへ死にそうな少女一人を押し付けて、
『世界という漠然としたものやそこに生きる大勢を救うことよりも、たった一人を確実に引き上げることの方がずっと難しい』
という惨たらしい真実を彼に自覚させ、半ば強制的に自己の驕りと愛を内省させる」

駄目だわこの管理人正気じゃねえわ。こんなことをあの立派なお方にやらかすとか正気の沙汰じゃねえわ。
けれども樹海も木製も躑躅もMethinksも全てこれに当てはまるストーリーだから困ってしまう。というかこういうおはなしばかり書いている気がする。
マリオネットの逃飛行とか、片翼を殺いだ手とか、冷たい羽とか、ライラックコーラルとか、マーキュリーロードとか、上に落ちる水とか。
ほらぁ重たい連載みんなみんな「たった一人を救うことの辛さと厳しさと難しさ」についてだらだらと書いてあるだけの代物だからほらぁ。

……でもきっと「そうした辛さや厳しさや難しさを抱えてでも救いたい人がいる」「それが他の誰でもない貴方である」……ということが、私の考える愛なのだろうなあ。
だからこんな話ばかり書いているんだろうなあ。

そしてフラダリさんに関してはそうした話しか書いていないところからして、きっと私はフラダリさんに焦がれているのだろうなあ。
彼なら救ってくださるって思っているのだろうなあ。
たとえ臆病と卑屈と怠惰と醜い自己顕示欲を抱えたシェリーとかいう少女であっても、彼なら救えると信じているのだろうなあ。

© 2025 雨袱紗