SS

・ジャンルはすべてポケモン
・短編未満、連載番外、if、パロ、なんでも詰め合わせ

SSにも満たなさそうな会話文、極端に短いもの、本編に組み込む予定のない突発エピソード、などはタグ「ちりがみ(塵)」に格納します。


▽ つるぎの蝶の舞う常盤

2019.03.20 Wed * 9:38

(本編から2、3年後くらいを想定) 風が吹いている。霧のように濃い温風ではなく、暗がりから押し寄せる夜のような寂しい冷風に男は驚く。 肌を撫でる空気、木漏れ日から差し込む太陽、全てが控え目で、静かで、あまりにも弱々しい。常夏のアローラに構えられた樹海とは、何もかもが違い過ぎていた。 この森の中では、いくら彼が目を凝らしたところで、アローラを想起させる要素を見つけることはできない。此処は真にカントーであり、アローラではない。 同じように、アローラの森に身を置いた少女がその中にこのようなカントーを見つけることもおそらく不可能だろう。あの場所は真にアローラであり、カントーではないのだ。 ……だから彼女は、自らが「排斥」されているように思ったのかもしれなかった。だから彼女はマラサダを吐き、海の水を飲み、黒い砂の上で踊ったのかもしれなかった。 あのような馬鹿をやらかしたのも、あのような悲しみを背負ったのも、全て、この森があまりにも涼しく、あの森があまりにも暑いからなのではないかと思えてしまった。 「おい、何処まで行くんだよ」 この涼しい森における「異分子」である男の手を強く握った少女は、そのまま森の奥へと早足で向かっていく。 道、と称するのも憚られるような細い場所を抜けて、ツタが作った自然のトンネルをくぐる。森は益々暗くなり、益々涼しくなる。 遠くに見える大きな木が目の前を覆わんとするほどに近くへやって来た頃に、少女の足はようやく止まる。どうした、と尋ねかけた男の口を、少女は振り向きざまに両手で塞ぐ。 「?」 「ほら、あの木の下のトランセルがもうすぐ羽化するよ。バタフリーになって、この暗い森を出ていくの」 目を凝らせば、確かに暗がりにその姿を見つけることができた。5匹……いや、6匹いる。 少女はにっこりと笑い、お気に入りのワンピースが汚れるのも構わず草の上に座り込んだ。どうやらあのトランセルの羽化を見届けるつもりらしい。 男もそれに倣い、どっかりと腰を下ろす。 隣から小さな声で「寒くない?」と尋ねてきたので、肌寒さに嘘を吐き「平気だ」と同じく小さな声で答える。 少女はその嘘を知ってか知らずか「ふうん、そうなんだ」と楽しそうに呟いてクスクスと笑い、「でも私は寒いなあ」と肩に凭れ掛かってくる。 出会った頃に比べれば随分と成長したが、それでもこの少女は「少女」であり、まだ子供だ。 子供の体温は高い。故にこうして寄り添うことで温もりの恩恵を受けるのは間違いなく男の方だ。少女は分かっていて凭れ掛かっている。 だから男は「そうかよ」とだけ告げて、左肩に受ける少女の質量をぶっきらぼうに許す。 「トランセル達、きっとびっくりするね」 「何がだ?」 「だって目が覚めたら背中に綺麗な羽が生えているんだよ? この暗い森から飛び出して、ずっと遠くへ飛んでいけるの。 彼等はそれを分かっていて、その自由を手にするために眠ったのかな。それともただ、キャタピーの姿でいることに疲れたから眠っただけ?」 疲れたから眠る、なんて、まるで以前の少女のようだ。男はそう思ってしまい、微笑んで「さあな」と答えた。 その微笑みか、あるいはその短い相槌かは分からないが、とにかくその反応で少女は、男が以前の少女を想起したことに気が付いたらしい。 その認識の共有を喜ぶように少女は笑う。その喜びを許すように男も笑い返す。 嬉しそうに肩を竦めて目を細めて「いいなあ」と零す少女の背中に羽はない。代わりに小さな、30cm程度の騎士がいつでもそこに控えている。 ワンピースと同化するようにあしらわれたそのリボンは少女を抱えて風のように宙を舞う。望めば、彼女はいつだって蝶になれる。 ……だから、羽を持たないことに絶望する必要も、羽を宿して目覚めるトランセルを羨む必要も、きっとない。 長い時間をかけて、少しずつ殻が開いていく。宝石のように美しい羽が、その隙間からゆっくりと伸びていく。 殻を脱ぎ捨てたその蝶は、パタ、パタと羽を瞬かせて、薄暗い森の空気を震わせる。何度か繰り返したのちに、徐にふわりと飛び上がる。 「見ていて、グズマさん」 少女が立ち上がりそう告げる。 その背中で小さく鳴いたカミツルギが、少女の腰にそのやわらかい鋼を巻きつけて舞い上がる。大きな木の方へと静かに飛び、羽化したばかりのバタフリーの傍へと寄る。 バタフリーは仲間を得たことを喜ぶように、ふわふわと木の周りを飛んだ。 少女とカミツルギはその少し前を飛び、時に高く舞い上がったり、薄暗い中でダンスを踊るようにくるくると舞ったりしてみせた。 それはまるで「こうやって飛ぶの」とバタフリーに指南をしているようであった。初々しい羽を導いているようであった。 空の高さを初めて知るバタフリーの羽も、少女の背に生えているつるぎの羽も、グズマには同じように眩しく見えた。あまりにも綺麗であった。美しかったのだ。 「ただいま」 けれども初々しい羽を持つバタフリーは常盤から空へと飛び立ち、つるぎの羽を持つ少女は再び男のもとへと帰ってくる。 ただそれだけの違いであった。それが、それこそが、男がこの少女を想う理由であったのだ。 /

▽ 5度の無垢、30度の粋

2019.03.17 Sun * 10:15

「ホワイトレディ」

「ブラックルシアンにしようかな」

思わずメニュー表から顔を上げて声の主を確認してしまった。私と目を合わせた彼女が、小首を傾げて「何?」と微笑む。
何でもないよと告げながら、それでも強烈な違和感は拭えなかった。

お酒に強い二人がのっけから高度数のものを口にすることは別段、不自然なことではない。
饒舌になりこそするものの大して悪酔いもしないこの二人が、少しずつ出来上がっていく私をニコニコと眺め続けているという図式も、慣れっこであった。

ただ、私の聞き間違いでなければ、彼女がホワイトレディを、そして彼がブラックルシアンを注文したはずだ。
ゼクロムを連れ、黒いダイヤモンドの結婚指輪を嵌めた彼女が白いカクテルを、レシラムを連れ、白いダイヤモンドを身に着けた彼が黒いカクテルを頼んだ。
互いの色を奪い合うような注文の仕方に、私は少なからず驚いた。けれどもその色の奪い合いを指摘することは憚られた。
そういうこともあるよね、と、その疑問の落としどころを私の中で見つけてしまう方が「上品」であるような気がしたからだ。

「ファジーネーブルを下さい」

「俺はチャイナブルーで」

「ふふ、ジュースみたいなのを頼むのね。いつものことだけれど」

トウコちゃんは常に大人っぽいけれど、お酒の席ではその程度が増す。
カクテルグラスを指で摘まんで目を伏せるところなんか、ドラマに出てくる女優のようだと思う。
そして彼女をよく知る私の目には、名前さえしらない遠い地方の女優よりも、彼女の方がずっと美しく、色っぽく映る。今日の彼女も相変わらず、眩しい。

彼女より2年遅れて、私とシルバーもお酒を飲めるようになった。
……けれども私もシルバーも、まだこのお酒というものに慣れていない。4人で飲むこの時間には慣れても、お酒の味にはまだ親しみを覚えられていない。
トウコちゃんやNさんが「美味しい」と呟くそれと同じ感想を、私はまだ、心から紡ぐことができていない。
けれども何となく、美味しいと思っているふりをしたくなる。慣れているふりをしていたくなる。いつもの子供っぽい私を隠して、二人の雰囲気に合わせてみたくなる。
勿論そのような虚勢は、私がカクテルを2杯も飲めば呆気なく崩れてしまうのだけれど。
そうした「ふり」が暴かれてしまうことも含めて、私はこの4人での場にはもうすっかり、慣れてしまっているのだけれど。

いつか、心から「美味しい」と言えるようになれたなら素敵だと思う。その「美味しい」を一番に聞くのが此処にいる3人であったなら、とても嬉しいと思う。

「お待たせしました」

ホワイトレディとブラックルシアンが運ばれてくる。
Nさんはそれを右手で受け取りカウンターに置いてから、指輪の嵌められた左手でそれを持ち直した。
トウコちゃんは右手にそれを持ったまま、左手の薬指をそのカクテルグラスにそっとかざした。

「互いの色にかざすと、よく映えるように造ってあるんだな、その指輪」

「……あっ」

「今日は二人とも、相手の色を飲みたい気分なのか? 珍しいじゃないか」

チャイナブルーを受け取りながら涼しい顔をしてシルバーがそう告げる。
こんな大人の場で、相手の気分を暴くような真似は無粋だよ、と、肩をつついて指摘しようと思ったのだけれど、
トウコちゃんが嬉しそうにへにゃりと、まるで酔っぱらった私のような笑顔で「ええそうよ、いいでしょう」と歌うので、
虚勢とか、上品さとか、そういうことの全てがもうどうでもよくなってしまったのだった。

「いいなあ」

私もそう続けて、ファジーネーブルに口を付ける。不思議だ。今日はいつもより少し美味しいと感じる。

雰囲気だけ楽しんでいただければと思います。ワカラナイ……オサケワカラナイ……。

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▽ フラクタルの封印は明後日に解くべし

2019.03.13 Wed * 10:26

果物屋の前を通り過ぎた頃に、隣の気配がふっと消えた。
今度は何処で道草を食うつもりなのだろう、などと思いながら振り返れば、彼は大きな果実を片手で抱き上げているところだった。
私が踵を返してそちらへと戻ると、彼は「来てくれたんだね」とにっこり微笑んでしまう。私は毎度のことながらそれに驚き、苦笑する。

彼を置いていくという選択肢など、私の中には端からない。彼が足を止めれば私も止めるし、引き返すのなら私も戻る。当然のことだ。
当然のこと、けれども彼と出会う前はそのような相手を持つことなど在り得ないと思っていたはずのこと。今の私がすっかり慣れてしまったこと。
けれどもそれを、Nはいつまで経っても喜ぶ。私もそうして喜んでくれる彼を許している。だからこそ彼が足を止めても引き返しても、置いていくことができないのだ。

「とても美しいとは思わないかい」

さて、そんな相手がメロンを抱きかかえてそう告げる。私は彼の嬉々とした表情とメロンを交互に見て、肩を竦める。
私に分かるのは、メロンの色よりもNの髪の色の方がずっと鮮やかで綺麗だということくらいだ。けれどもその鮮やかな若草色を持つ彼には、メロンの方が「美しく」見えるらしい。

「……よく分からないわ」

「フラクタル次元だよ」

「……益々、分からないわ」

「ボクの持っているメロンとあっちのメロンとではネットの粗密が異なるだろう? けれどどちらもフラクタル次元的に見れば、似たような格子状を取っているんだ。
キミは以前にメロンのネットを「子供でも描けそうな網目」と言っていたけれど、この美しいネットを描くことは並みの数学者では難しいと思うよ。
無秩序は模倣できる。でもランダムの再現は困難だ。そこに敷かれた数式を導き出して初めて、ボク等はメロンを理解できる」

フラクタルジゲン、という単語が出た瞬間、彼はにわかに早口になった。大方、数学スイッチが入ってしまったというところだろう。
後半はところどころ聞き取れなかった。それでも構わなかった。彼は私に理解を求めたけれど、私が彼の要求に応えられたことの方が少なかった。
それが私達の「いつも」になっているから、私は「へえ、そうなの」と適当に相槌を打って、彼の興奮が鎮まるのを待てばいいだけであったのだ。
彼が笑っている、彼が楽しそうだ。それが全てであったから、彼の数式を解することは、私にとってさほど重要ではなかったのだ。

「それで、フラクタルジゲンではあっちのメロンもこっちのメロンも大差ないのに、どうしてあんたはそのメロンを手に取ったの?」

「このメロンの食べ頃が明後日だからだよ。ほら、コトネとシルバーが来る日だろう?」

私は「じゃあ買うしかないわね」と笑い、彼の右手からメロンを奪い取る。そして、その重さに少しだけ驚く。
軽いものをひょいと持ち上げるような心地で、彼はこれを腕に抱いていた。けれども私の腕にこのメロンは随分と重く感じる。両手で持たなければ落としてしまいそうだ。
ああ、こいつも男の人なのだと、思って、なんだか面映ゆくなる。

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▽ 20度超の酩酊にきっと地獄の夢を見る

2019.03.11 Mon * 23:59

お酒は苦手だ。大勢での食事は別に苦ではなかったけれど、そこにアルコールが入ると私はにわかに緊張した。
独特の匂いがするそれを口にした皆は、よく笑うようになったり、泣き虫になったり、怒りっぽくなったり、妙に饒舌になったり、押し黙ったりする。
私のよく知っている人達、よく知っていると思っていた人達の、見たこともないような姿に、私は驚き、時に恐れていた。

「大脳皮質の働きが弱まることにより生じる現象です。感情が、理性によって抑圧されることなくそのまま表現されてしまう。アルコールにはそうした作用があるのですよ」

それは「その人の本質」なのだと彼は言った。普段、理性の影に潜んでいる感情の部分が、その抑圧を解かれて表に出てきているだけのことだと、説明してくれた。
お酒による人格の変化を科学的に説明してもらって、勿論、私はとても気が楽になった。

……誰もが、建前と本音、嘘と真実、欲望と節度、理想と現実を使い分けて生きている。それができることこそが、きっと大人であるということなのだろう。
私は、そう思う。だからお酒による人格の変貌を「気持ちが悪い」「野蛮だ」と思ったことはない。
むしろ、普段そうした本質を上手に隠して生きている彼等のことは、まっとうな大人として尊敬している。
だから、お酒を飲んで人が変わったようになるのは、悪いことでは決してない。私はそう、教えてもらった。だからそうなのだと分かっている。分かってはいる。

けれども私はどうしても、人前でお酒を飲むことができない。
彼の説明は私の気を楽にしてくれた。恐怖は確かに薄れた。けれども薄れたのは「お酒を飲み人が変わる相手」への恐怖であり、「お酒」への恐怖はまだ、根強く私の中に在る。
だから、大好きな皆にお酒を勧められると、私はどうしようもなくなって困り果ててしまうのが常であった。
注がれたグラスの中身を空にできたことは一度もない。ビールもカクテルも焼酎もワインも、舌の上に少しだけ含む程度の味わい方しかできない。

私はお酒が怖い。お酒を飲むことが恐ろしい。私の大脳皮質の内側に隠されたおぞましいものを、できることなら誰にも知られたくない。
私のおぞましさを、おぞましさを象徴するあの罪を、暴かれてしまうことが怖い。
誰かに裁いてほしいと思っているにもかかわらず、ずっと断罪の時を待っているにもかかわらず、私は被告の席に立つことを恐れ続けている。最低だ、最低、最低。

「あはは、どうしたんですかゲーチスさん。ねえ、そんな悲しい顔をしないで。笑って、笑ってください。私を笑って、許さないで、あの子みたいに」

白ワインを浴びるように飲んだ私がどうなっているか、なんて、この狂った頭では分からずとも、ボトルを取り上げたこの人の表情があまりにも雄弁に語っている。

「……いい加減にしなさい、シア

「そんなこと言わないで、今日くらい許してくださいよ。今日は特別な日なんです。私の大好きなあの子の誕生日、大切な日。
あれ? 誕生日じゃなくて、命日だったかな? 今年は何周忌だったかしら? あはは、もうどうでもいいか!」

お酒が怖い。
大脳辺縁系に司られた感情が、大脳皮質に司られた理性を突き破って湧き出てくる、この麻薬のような飲み物が怖い。

浴びるように飲んでも、焼け付くように痛い喉に手を当てて泣いても、空のボトルを足元に積み上げても、結局は何の解決にもなっていない。
私は断罪されないまま、彼女は戻ってこないまま。
にもかかわらず、この日に私を誘うお酒が怖い。責めるように強く香るワインが怖い。おぞましい罪を抱えて生き続けることが怖い。怖い、怖い。

……ああ、もう少し飲めばよかった。そうすれば、こんなことも全て、全て考えなくていいようにしてくれたかもしれないのに。

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▽ C1(ピンクゴールド特別編、先行公開)

2019.03.09 Sat * 12:41

私は彼で出来ている。それが恋というものである。

朝、目を覚ます。眠い目を擦りながらお気に入りの櫛で髪をとく。
彼が褒めてくれた長い髪、美しいものを好む彼が好きになったストロベリーブロンド。だから私も私の髪を好きになれる。丁寧に触れることができる。
顔を洗う。鏡を見る。ライトグレーの瞳はいつだって不安そうに私を見るばかりだけれど、彼に会えばこの不安が消え失せることを私はよく分かっている。
朝食を適当に食べる。あまりお腹を膨らませたくはない。お腹が膨れても嬉しくならないからだ。独りで、彼のいない場所で食べるものはどれも味気ないからだ。

こうした、日常の動作の一つ一つに彼がいる。彼の思い出が私に囁き続けている。
その記憶は毎日のように新しく更新されているから、彼の囁きが潰えることなど万が一にも在り得ない。

私は彼で出来ている。それが恋というものである。
あの人のくれた居場所が私に前を向かせる。私のことを許させる。それは恋というものの持つ魔法の力だ。
そうした意味で彼は紛うことなき魔術師であり、私はきっと今もその魔法にかけられている。

叶うなら、この魔法がずっと解けないままであればいいと思う。こんなにも満たされた気持ちを絶対に失う訳にはいかないと思う。
けれどもそうした私のエゴは、彼の魔法に何の影響も及ぼさない。私は彼のかける魔法に生かされており、彼はその魔術をいつでもやめることができる。
私を生かすのは私の意思でも私の能力でも私の実績でもない。私を支える要素は私の中に一つもない。そこに私の危うさがある。
「いつ解けるともしれない恋の魔法に生かされており、私が生きるも死ぬも魔術師である彼の意思次第だ」という状況を、私は喜んで受け入れている。

一体、それの何が問題だというのだろう?

私は私の力では前を向けない。だから彼の魔法に頼っている。彼の魔法があれば私は何だってできる。彼が、彼の魔法が、この恋がそうしてくれた。
それは「目が悪い人が眼鏡を掛けてクリアな視界を確保する」ことと何も変わらない。私には彼が、彼の魔法が必要だ、それだけのことだ。

私は彼で出来ている。それが恋というものである。

恋の病とかいう綺麗な名前の免罪符のせいで、こちらの彼女は「切符と共に散りぬ」よりも更に危険である

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