霙さん

こんにちは、霙さん。
楽しいこと、続けられていますか? 大事な人、見つけられていますか? 夢に、変わらず手を伸ばせていますか? 傘は、持っていますか?

貴方が私に傘を差しだしてくださった8月のこと、今でも覚えています。
旧サイトに新しく作ったページにすぐに気付いてくださったこと、今ならちゃんと、有難いことだと、嬉しいことだと思えます。
けれどもあの頃の私はそうした喜び以上に「恥ずかしい」という衝動めいた感情を持て余していて、
ただごめんなさいと、どこぞの鉛のようにそればかり、繰り返していたような気がします。
きっと、不快な気分にさせましたよね。申し訳ありませんでした。

貴方が許してくださったから、私は長い時間をかけてゆっくり休むことができました。
その間、随分と怪物めいた生活を送っていて、思考も随分と鈍ってしまい、物語は長い間、ずっと錆び付いたままでした。
今も、私の頭がよろしくなったかと問われれば、間違いなく「否」と答えなければならないのですが……少なくとも、あの頃よりはずっとマシになれています。

あれからも、私の節目となる時期に、沢山、お祝いしてくださいましたね。
目まぐるしい変化の中で、私はそうした記念日のことなどすっかり頭から抜け落ちてしまっていましたし、
気持ちとして「なんだかこの日、邪魔だなあ」と思うことさえあったのですが、
貴方にお祝いしていただけたというだけで、ああこの日にはちゃんと意味があったのだと認識し直すことができてしまいます。
貴方は私にとってそうした人です。

改めまして、ただいま。
また、貴方の先輩となることが許されるなら、今度こそ、貴方に傘を差しだせる側の人間になってみたい。
またお話、しましょうね。

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