たいへん遅くなりました……!
再びのご連絡、誠にありがとうございます。
早速旧サイト、遊びに来てくださったようでたいへん嬉しく思います。い、いやちょっと嘘かもしれません旧サイトは流石にちょっと気恥ずかしい気持ちがあるのですが、それでもあの頃のお話を大事にしてくださっている方のお声を聴けること自体は本当に、本当に嬉しいことですね。
【自分の中で大切なものになっている】とまで言っていただけたこと、誠に光栄です。恥ずかしさがありながらも、旧サイトを共有できてよかったと心から思っています。
お返事ちょっとお待たせしてしまったので、またまた裏話でも。
シルバーがコトネの手を引くシーン、大事に覚えていてくださりありがとうございます。
シルバーは割と歴代ライバル勢のなかでも影がある設定が公式で為されてはいますが、やり方を誤りながらもたった一人で歩いてきたその生き様はものすごく強いものだなあと思ってしまいます。
彼がセレビィイベント(映画限定)で口にした「一人で強くなる」は大きすぎる言葉で、実際完全にそう在れるわけではないのですが、博士や母親や友人やジムリーダーやチャンピオンや……出会う人のほとんどから応援や肯定ばかり貰ってとにかく前向きに進むことができた主人公と、逆境の中で走り続けてきた彼とでは、必要とされる心の強さがぜんっぜん違っただろうなと。
そういうわけで、魂の強さという点では、シルバーはコトネよりもずっと上だったのではないかという思いが10年以上前からありました。だから原作ほどの逆境に立たされていないホグワーツでのシルバーが、大人びた感じでコトネの手をそっと引いてあげられるような好青年、じゃなかった、好少年になるというのは、私の中では割と無理なく組めた展開だったりしたのですよね。
トウコもまたコトネとは原作における環境が違いすぎた主人公だと思っています。本当はトウコもコトネのような旅がしたかったと思うのですが……NとNを止めることができない周りの大人たちがそれを許しませんでしたね。
だからでしょうか、ホグワーツのトウコやシルバーは原作よりもずっと自由です。
反対に、原作で順風満帆な旅路ができたコトネが、もしシルバーやトウコに似たような逆境に立たされたなら、どのように戦い、立ち直り、乗り切ろうとするのだろうと思い……それでもやっぱりコトネは周りの人に手を引かれたり喝を入れられたりしながら人との関わりの中で元気になっていく姿が似合っているなあ、という流れで「冷たい羽」が完成した……ような気がしています。
Kへのご言及も本当にありがとうございます!
Kを簡単に言ってしまえば、質の悪さや同情心をトウコの10倍くらい煮詰めたような人物、ということになるかもしれません。Yへの執心を異常なほどに持っていますが、KがYを直接大事にしている様子はほぼ描写していません。「一番はYだから」と心の内に置いて厄介な友人であるYを隔離することで、コトネやシェリー、プラターヌなど、様々な人物を想える、ある種器用で優しい人物でもあるかもしれません。
そんでもってまさか「上に落ちる水」の話もしていただけるなんて!
ポケモンの世界でも「やぶれたせかい」と「ウルトラスペース(正確にはウツロイドの居場所であるウルトラディープシー)」は時間の概念がない場所のように感じられていました。あの不気味な感じからの妄想をストーリーの肝として用いられたお話として、ちょっとワクワクするものが書けたなあと個人的にはかなり満足しています。
ゲンとアカギが顔を合わせる場面は私もかなり印象に残っています。「だって私はもう、貴方がいなければよかったと思うことができないんだ」とか「貴方は、あの子の涙が下に落ちることを知らないのでしょう」とか、10年前の話なのに諳んじられる台詞がいくつか……懐かしいなぁ……。
サイト移転にともない非公開にしたお話のなかでも「冷たい羽」と、あとXYの連載であったズミの「3番目の魔術師」はご言及頂く機会がとくに多く、どちらもリライトしたいなあと思い途中まで進めておりました。
どうにか形にできればなあというお気持ちではいるのですが、いかんせん時期の確約ができず……申し訳ございません。
子どもへのお言葉も、本当にありがとうございます。
SVも思う存分ゲームとしては楽しんだし魅力的な人物も大勢いたのですが、とんでもない偶然により、SVの主人公「アオイ」をただのゲームの中の女の子として見ることができなくなったため、いまだに短編の1本も書くことができていません。
「アオイ」が物語の中で誰と懇意にするか、誰を想うか、誰に想われるか、どんな逆境に見舞われるか、といったことを考えることがとても難しく、本当にただの偶然により、私は……「アオイ」がただ幸せに、誰にも傷付けられることなく、あの世界を楽しんでほしいと願うばかりの腑抜けになってしまいました。
今後もSVを書くことはないかもしれませんし、主人公の人格や幸福を定めないようなふわっとした形でまとめるかもしれません。ただこちらを書くよりはやはり「冷たい羽」や「3番目の魔術師」のリメイクを優先したいのが本音ですね。
返信不要とございましたが、ちょっとこの嬉しさを自分の内に抱えておくことが難しかったためページを設けさせていただきました。
こちらこそ、物語を読んでくださり本当にありがとうございました!
機会がありましたらぜひお会いしましょう。またのお越しを心よりお待ちしております。