4/8、優風光さん

こんにちは、優風光さん。お久しぶりです!
 ご訪問くださり、本当にありがとうございます!

 サイトを通じての初交流からもう5年以上が経過していましたか! ど、どおりで私も年を取るはずです。
 元気に過ごされているとのこと、安心いたしました。
 こちらも何とか生活できておりました。お返事の時間が取れず、かなり長い期間お待たせしてしまいましたが……。本当に申し訳ありません。また訪れてくださった折に、お目を通していただければ幸いです。

 小説へのご感想、とても嬉しく拝見いたしました。しかも「木犀」と「やさしくありませんように」とは!!
 優風光さんの目指す形は【鍵盤を叩くような文章】なのですね。とても素敵な表現で思わず息を飲んでしまいました。「木犀」の原本はもう10年前の話なので(今年、XYが10周年らしいですね。時の流れの早さにびっくりです)、自分で読み返すのが少し憚られてしまうのですが、「やさしくありませんように」は私もたまに読み返すことがあります。
 【多くのものが詰まっている】としてくださった表現に違わず、確かにこちらには多くのものを込めました。こちらはリクエスト作品でもあり「木犀くらい重たいものを」とのことだったので、よしと気合を入れて書いたとびきり重くした次第です。ただどんなに描写や展開を重くしても、やはり二度と戻らない命がある「木犀」を上回ることはないなと、書き手としては感じております。「あたしはそんなもの(死)、要らない」と跳ねのける姿がある分、「木犀」のアンチテーゼみたいな立ち位置にもなってしまいましたしね。

 生きたいと思うには何が必要なのか、生きてほしい人をどう支えるのが正解なのか、もう戻らない命(シェリー)に向ける感情としてどこまでのものが許されるのか、などを考えながら書きました。シェリーを「私もこんな風に」と憧れるアルミナ、シェリーのことを惜しむフラダリさん、シェリーに憎悪を含めた複雑な想いを抱えていた「お姉ちゃん」、シェリーが母を連れていくのではと恐れていた「あたし」など、様々な想いを死後向けられている姿を書くことで、木犀では淡々と失われていったあの命の彩度が、より上がってくれないかという期待もありました。結果的に私が着地したかったところへ登場人物みんなが向かってくれたので、今でも「やさしくありませんように」は満足のいく作品であったと言えますね。もちろん、内容が内容なので、初めてサイトに遊びに来てくださった方に「まずはこれでもどうですか」とオススメできるような代物ではないのですが……(笑)

 それから「ラ・カンパネラ」の感想のご共有もありがとうございます! 雨粒が踊っているようにも聞こえるこの曲、大好きなんですよね。「水の戯れ」も好きな曲です。「ラ・カンパネラ」は「点」「粒」の美しさが際立っていますが、「水の戯れ」は「線」「波」としての美しさがありますよね。こういう曲を毎日聞けるくらいの穏やかさをもって暮らしたいなと夢見てはいるのですが、なかなか思うようにいきませんね……。まあ、仕方がない。ここは「ままならない世界」ですから。

 「マーキュリーロード」への言及もありがとうございます。優風光さんの貴重な時間をいただけていたこと、たいへん光栄に思います。
 私も、時間を忘れてこれらの長編を書きまくっていた若いころの時間は、なんと貴重なものだったんだろうと思います。もちろん、将来のことを考えたらもっと「実」になる趣味はたくさんあったのかもしれませんが、それでもこうしてたくさん書いてきた物語たちを読み返すと、私の青春時代と社会人の始まりの時代に、ポケモンと「書くこと」があってくれて本当によかったなと思うばかりです。

 今、私は自宅で子育てをしながらライティング業務に携わっています。いわゆるWebライターですね。もちろん、小説を書くようなものではなく、大学で学んだ専門分野を活かしたものです。しかし長年「書いてきた」経験が少なからず活きる仕事でもあります。
 舞台も中身も変わってしまっていますが、私はまだ「書くこと」をぜんっぜん手放していません! 忙しくたいへんな日々ではありますが、一緒にこれからも「書くこと」を、楽しめていけるといいですよね。

 憧れでもらえるような人であれたかな、師とまで書いていただけるような生き方が今できているかな、と、いただいたメールを読み返しては背筋を伸ばす日々でした。温かく嬉しいお言葉、本当にありがとうございました。
 もしご縁が許すなら、またこうしてお話できる機会をいただけるとたいへん嬉しく思います。

 改めまして、本当にありがとうございました!
 期待と祈りを込めて……またお話、しましょうね。

© 2024 雨袱紗