なんて健気なの! 素敵! お母さんとお兄さんとずっと仲良しでいてね……。
と、このように主人公への愛着なぞ捨ててしまえば割と簡単にリーリエのこと嫌いじゃなくなれるのだなあと知ってしまい、数年間私が抱いていた彼女への苦手意識はほんともう何だったのかと笑えてくるレベルで流石にもう……何やってんだとしか……。
だってほら、人を恐れたり嫌ったり憎んだりするのって疲れるじゃないですか。それなら表面だけなぞってわぁ可愛いって言っていた方がずっと楽なんですよね。そうかリーリエのことはこうやって愛でていればよかったのか。薄っぺらい好意でも憎悪よりはずっとマシですよね。4年前からこうできていればよかったのだけれどなあ。
でも本当に、本当にそれとは別に、リーリエのことすっかり忘れたミヅキが楽しそうにグズマさんとザオボーさんに挟まれてにっこにこしている様子も思い起こされて、ああいいじゃんもう楽しいことだけやっていろよ小石はもう本当によぉとも思ってしまっている。嫌った報いなんか受けなくていいよミヅキ、大丈夫大丈夫、仲直りなんてしなくていい。リーリエのことは嫌いなままでいい。嫌いから無関心にシフトしてそのまま忘れてしまえばいい。いつかアローラに戻って来たリーリエが「ミヅキさんなんか嫌いです」ってようやく口にできるようになったとしても、そんなところに自分の心を合わせに行こうとする必要なんざ全くない! 笑顔で「君は私をどう思ってもいいんだよ、リーリエ! 本当に、どうだっていいんだよ!」と本気で許してあげられる最低な強い子になってしまえばいい。大丈夫大丈夫ミヅキならできるよグズマさんもザオボーさんもいるんだから大丈夫だよ問題ない。