ラブコメ要素10~15%くらいの大論判三部作ですが

 キーワードとして「配慮」や「真剣」を使い、またユウリの側としては思いが通じ合うことを最終到達点としていない(ラストのあれは彼女にとって予定外のものであった)ことを考えると、やはりいつもの「重く深く真剣に想う」タイプの話であることには変わりありませんでしたね。
 また重たくやってしまったか、という気持ちよりも、ラブコメという異質なものをねじ込んでも尚、物語が私らしさの型から崩れていないということに安堵する気持ちの方が強く、成る程こう書けばいいんだな、というのが何となく私の中で掴めた気がします。ただこれはセイボリーの尋常ならざるコメディパワーに背中を押されただけの話で、別の主人公と別のお相手になると全く書けなくなってしまう可能性も……というかきっとそうだろうな、やっぱりセイボリーってすげえや!
 ラブコメ的な何かを「書こう」と思って意識して書いたのは初めてか、あっても6年以上は確実に前の経験となります。雨袱紗の呪いを受けて7年目の方が「ラブコメ……んっふふ確かになかった、そんなの雨袱紗で見たことない」と太鼓判を押してくださいましたので間違いありませんね!

 連載として書いている「それゆけ丹色のシュガーベア」も、やはりセイボリーに頼りまくってようやく10%程度のラブコメ要素が入るといったくらいの代物にしかならないかと思いますが、書いている当人としては非常に楽しんでおります。次の更新分ではエレガント・ファッショニスタとして、ユウリの「帽子」をセイボリーに選んでいただこうと思っています。ネズさんのCrasy Cold Caseではニットベレーのピンクで落ち着いたのですが、今作もニットベレーで、色だけ変わります。
 メインルートとして据える予定のビート原作沿いに関しては、デフォルトの「緑」のままでいこうかなという気持ち。こっちにはきっとラブコメ、0.5%くらいしか入らないんだろうなあ。

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