助手のせっちゃんが「こんな風に」とした2世様の音は「彼」という代名詞たった一つではあったのですが、これに該当しそうな「言葉」が、私の生涯でたった一つだけあります。「誰かに一度でも、本当に心からそう言ってもらえたなら、それだけで一生、希望を抱いて生きていけるというくらいに」……と、せっちゃんの独白になぞらえて私なりに書き換えるならこういうことになりそうですね。
この「致命的な言葉」の中身がどのようであるのかについては、赤裸々に開示することはせず大事にとっておくつもりです。……とか言ってしまえれば格好がついたのかもしれませんが、実は既に、誰かさんの物語の中にある重要な要素として盛り込んでしまっています。余程嬉しかったんでしょうね当時の私は。あーあ、やっちまった!
でも、きっと「彼女」も、貰ったその言葉を生涯大事に抱えていくことでしょう。私と同じように。
いや私の話はいいんだ。私の話じゃなくてね。それだけの重みをもって「彼」(英国の話だから実際には「He」となるのですが)のたった2音を紡げる2世様の生き様の、なんと真摯で切実なことだろうってことを書いておきたかったんだよ此処に!
この人は懸命に生き過ぎている。あまりにも。