その本は、未知の言語で書かれている(青の共有・夜)

アポロがこの女性を正しく理解できたことなどあっただろうか? なかったはずだ。なかったはずだ。彼女という本はいつだってアポロの目の前に差し出されていたにもかかわらず、そのページに並べられた美しい文字はアポロの知らない言語のかたちをしていて、いっこうに読み解くことが叶わないのだ。
 幼子のように、少女のように、詩人のように、歌姫のように、聖母のように、天使のように、神のように。
 あれは何の言語だったのだろう。幼子や少女の無垢な微笑みは何億個の0と1で構成されるべきだった? 詩人や歌姫の旋律には何兆個の音符を必要とした? 聖母や天使の慈愛を完全に理解するには何京個の象形文字を掘らなければならなかった? 神の……いや、そもそも神に言語は必要なのか?

 この「ように7段活用」はアポロさんがクリスさんを形容するときの十八番なんですけれども、此処に「人魚」を加えたくなってきてしまって困っています。
うん? でもポケモンの世界に人魚という概念はあるのか? それって人魚というよりは人ジュゴンみたいなことにならんか? あかん訳分からんぞおいおいおい

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