実はカロスの人間は(カルムを除いて)みーんなシェリーのこと大好きです。案じています。心配しています。彼女の力になりたいと思っています。
でも、少しでも不用意な言葉を口にすれば彼女は怖がってしまうし、それに力など貸さずとも彼女のサーナイトはすこぶる強いから、歩み寄りようがないのです。
シアとシェリーの違いは、実はそれほど多くはありません。
どちらも必要に迫られれば努力できる人間です。ポケモンを信じることのできる人間です。強くなれる人間です。
けれども海は愛されていることを喜べる人間でした。鉛は愛を疑い愛を恐れる人間でした。そういうことでした。
トウコくらいのものですよ、その土地の人間からささやかな反感を買っているのは。
だがいいのだ。彼女はそれ「が」いいと思っているのだ。というよりも、その土地の人間のことなどどうでもいいのだ。どうでもいいと思っていたいのだ。
あと、嫌われてはいないだろうけれど、いろんな理由でちょっと気味悪がられて距離を置かれているのがクリスさん。
そして彼女はトウコのように「他の連中のことなんか知ったことじゃないわ」とは、思えません。
シェリー一人に拒絶と奇異の視線を向けられるだけで、どうしようもなく辛くなってしまって、夜にぽろぽろと泣いてしまうような、そうした少女のような人です。
トキはいつも「近寄らせないぜ」というオーラを強く出しているので、大抵の人間はそれに従う形で彼女の本当のところを知ろうとはしません。
その代わり、一度内に招いた人間にはどこまでも心を許します。
幼い子供のように甘えたりもします。ソネットとかハビトゥスとかはそんな感じだとおもう。
駄々を捏ねるように暴言だって吐きます。昨日のライラックコーラル序章のSSとかそんな感じだとおもう。
ああ、そうだった。琥珀がぼろっぼろに依存する羽の話もそろそろ引越させないとね……。