泉さん

こんにちは、泉さん。
サイトを閉じてから、何度もお言葉を送ってくださいましたね。
貴方の名前をコメント欄に見かける度に、ああ、まだ貴方と繋がっていられるのだと思い、身勝手にも救われてしまったものです。

貴方に、何度支えられたか知れません。そして、このたった1度のお返事でそれに報いられるとは勿論、思っていません。
本当の「お返事」は、Methinks完結の折に、しっかりとさせていただこうと思っています。

折角なので、旧サイトでのお返事を多数引用しつつ、新サイトにいる今の私が、色々と突っ込みを入れてみようかと思います。


※以下、常盤緑で書かれた文章が、旧サイトでのお返事に該当する部分です。

生きることさえ放棄してしまうには十分すぎる程の時間があった筈なのに、私は今日もこうして生きていることを考えると、
…やはり私も本当は、生きていたかったのだと思います。

「生きなければいけない、と思う。けれどそれと同じくらい、生きていたくないのならば、生きなければいい、とも思う。」

やさしくありませんように、を象徴するこの一文に視線を落としたとき、私は頭を殴られたような心地になりました。
私が書いた物語であった筈なのに、私はその細部からあの物語の主旨に至るまで、すっきりさっぱり忘れてしまっていました。
まるで遠い何処かの誰かが書いた物語であるかのような心地で、私は慌てて「やさしくありませんように」を読み返して、
…ああそうだった、私達の生きる場所はやさしくない世界だったと、美しく死ぬことなど不可能だったと、それでも生きていたいから生きているのではなかったのかと、
そう、私の形をした誰かに叱責されているような心地のままに、最後の「やさしく、ありませんように。」を口に出して、唱えました。

貴方を支えることのできている私は、変わらないままで、物語の形で、縫い留められている。
私はそのことがとても、とても、気持ちが悪くなる程に、誇らしいと、嬉しいと思えます。

貴方に、あの物語を覚えていていただけたことは、この時も今も変わらず私のかけがえのない喜びとなっています。

「やさしくありませんように」の全容を思い出すことの叶った今の私に追記できることがあるとすれば、そうですね……。
「あたし」が最後に綴ったあの言葉は、死んでいった「あいつ」や、死にたがっていた母や、死にそうな父を許すための言葉でした。
死というものをどこまでも許していなかった「お姉ちゃん」とは対照的に、死というものを少しずつ許していった「あたし」の姿。
けれども真相を暴いてみれば、本当に死にそうなのは、死という甘美な誘惑に飲まれそうになっていたのは「お姉ちゃん」の方でした。
「あたし」は死というものを許さずにはいられない、と口にしつつも、生きていることをしっかりと喜んでいます。生きようとしています。
この二者の結末を踏まえると、泉さんが引用してくださったあの一文は、やはり生きるための言葉だったのだ、と思わずにはいられませんね。

こんな私ですが、近いうちに雨袱紗に、私の夢と希望と理想ばかりを綴ったあの場所に、戻るつもりです。
少しずつしか書けないかもしれませんが、書いてみようと思います。
果たしてこれが正しいことなのか、戻るべきではないのではないか、という疑念はやはり残っていますが、私が戻りたいから、もう一度書きたいから、戻ります。

…空は、笑うでしょうか。琥珀は軽蔑するかもしれませんね。一等星はきっと慰めてくれるでしょう。英雄は呆れ笑いとともにアルコールを勧めてくるのではないでしょうか。
海はきっと、私を嫌うでしょう。鉛は間違いなく、このような私に仲間意識を抱いて喜ぶでしょう。
二十面相は私のことなど視界に入れないでしょうし、小石は小石のことなど気にもしないことなど容易に想像できます。
彼女達は、私に「書かれる」ことを許すでしょうか。
もし、私が戻ってから、パタリと更新を絶やした人物がいたなら、「ああ、彼女はこいつを許さなかったのだ」と思ってやってくださいね。
でも、少なくとも海だけは、私を嫌いながらも、私に書くことを強いるような気がしています。海は、そういうのがとても得意だったような気がしますから。

とかなんだとか9月の私は言っていますけれども、驚くべきことに(私が一番驚いています)あまりにも多くの人物を書くことが、何故か、できています。
???にて空夫婦を書いてから10日あまり経ちましたが、書いていないのはヒカリくらいでしょうか。
空は変わらず笑っています。琥珀は少し、大胆になったかもしれません。
英雄は変わらずNを片割れとしていて、海は前よりも諦めることが上手になりました。
鉛は何故か妙に幸せそうです。二十面相は造作もない嬢を貫いています。
煤と、煤の夢を見るもうひとりの煤(?)は、今か今かと動き出すときを待っているようにも思われます。
誰もが私に覚えのある形で、私の打つ活字の中に在ります。

けれど、貴方が書いてくださった「私の言葉を感じるための場所」は、残念ながら此処には置けそうにありません。
勿論、ポケモンやサイト関連の話題は24に書いていくつもりなのですが、日常の、特にプライベートなことは、こちらに書くことを控えようと思っています。
本当は、私の思いは私の中に留めておくのが「大人らしい」在り方であるはずだ、という考えもあり、そのような場所などもうない方がいいのでは、と随分、悩みました。
けれども最終的に、貴方の言葉が背中を押してくださいました。

私の言葉を好きだと、好きなように書いていいと、言ってくださり、本当にありがとうございます。
汚い暴言も、みっともない弱音も、貴方は許してくださるかもしれない。許してくださると信じていたい。
そう思い、今、隔離サイトのようなものを建設しているところです。
出来上がり次第、何らかの形でお知らせできればと思ってはいるのですが……。
勿論「あ、こりゃ見るに堪えないわ」と思われることもあると思いますので、そういうときはお早めに退出して、心の衛生を保ってくださいね。

長くなりましたが、今回のお返事は以上です。
これからは「Methinks」を綴ることを、貴方への感謝の気持ちとさせていただこうと思っています。

また、きっとお会いしましょう。私は今度こそ此処で、待っています。

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