翠子さん

こんにちは、翠子さん。
先程から、文章を書いては消し、書いては消し、といったことを繰り返しています。
サイトで誰かへの言葉を綴るのって、こんなにも難しいことだったんですね。

何もかもを諦めてしまってからというもの、私は貴方からの多くの言葉に沢山、沢山、支えられてきました。
長く、貴方のお気持ちに報いるための言葉を忘れていたにもかかわらず、貴方は一度も私を責めませんでした。
そのことにどうしようもなく救われて、嬉しくなってしまって、泣きわめくようにキーを叩いた10月の頃が、随分と懐かしく思われます。
個人的なメールなどの連絡手段では、それなりに文が綴れたはずなのに、また以前のようにサイトで、となると、なんだかとても気負ってしまう自分がいます。
ぎこちない様相を呈している(うーん、この懐かしい表現!)かもしれませんが、もしお時間がありましたらざっと、お読みいただければと思います。

11日にお返事をお送りした分には「14日に運営再開します」ということは書いていなかったため、追ってメールを送信しようかどうか、悩みました。
けれども、1年や2年のお知り合いならいざ知らず、相手は翠子さんです。あの、翠子さんです。
「樹海」の頃、つまり5年以上前から、貴方がシェリーくらいの年であった頃から、名前をお呼びすることが叶っていた相手です。
樹海の頃も、木犀修正版の頃も、夜顔の頃も、マーキュリーロードの頃も、やさしくありませんようにの頃も、ずっとずっと一緒にいてくださった相手です。
通知なんて必要ない。そんなことをしなくても、貴方は必ず私の新しい歩みを見ていてくださる。
そんな、某英雄が片割れに抱くような信頼、もしかしたら身勝手であるかもしれない傲慢な信頼に従う形で、敢えて連絡はいたしませんでした。

もうすぐ進級なされる翠子さんは、もしかしたらこの冬、綺麗な振袖を着てお写真を撮ったりしたのかもしれませんね。
その特別な日を、リアルタイムでお祝いできなかったことが悔やまれます。改めましてご成人、おめでとうございます!
……それに引き換え、出会った頃は貴方と同い年くらいであったはずのシェリーはというと、
19歳で死んだり、ゲーチスさんを悪魔呼ばわりしたり、永遠の祝福に見舞われたり、躑躅という字を読めなかったり、夜顔になってみたり、と、大忙しでした。
そんなシェリーの生き様や死に様を見守ってくださった貴方は、シェリーよりもずっと充実した、美しい毎日を送っていらっしゃると確信しています。
貴方はシェリーとは違います。勿論、私とも違います。(だって貴方は私とは違うモットスゴイナニカですもの……)
そしてだからこそ、私はシェリーよりも私自身よりも、貴方のことが好きです。貴方の生き方に、貴方の選ぶ言葉に、いつまでも焦がれています。

メールでお話していたもう一つの場所については、サイトのどこかで、もしくは直接メールへの送信で、お伝えできればと思っています。
まだ少し時間がかかりそうなのですが……のんびりとお待ちいただければと思います。

いつだったか「翠子、は貴方に呼ばれるために作った名前」と書いてくださいましたね。
私が、一度は「雨月」と改名しかけたのもの、こうして以前の名で戻ってくることを決めた理由の一つに、貴方のこのお言葉がありました。
何度も貴方に呼ばれてきた名前です。5年以上、ずっとずっと名乗り続けてきた名前です。
生半可な覚悟であのサイトを閉じたわけでは決してありませんでしたし、何名かの方に「雨月」を受け入れていただけたこともとても嬉しかったのですが、
サイトの名前を変えようとも、場所を引っ越そうとも、やはり私は、私だけは私であるべきなのではないかと、そうありたいと、思えてしまいました。

私は今日も葉月として、貴方を呼べることを喜んでいたい。
此処でお待ちしています。いつでも遊びに来てくださいね。沢山、沢山、話をしましょう。

ただいま!

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