如何せんブランクが長すぎるんだよなあ、10年近く話してなかったんだもんなぁ……あかんて……このぎこちなさあかんて……AKAN案件……。
あまりにも、あまりにも長すぎる。空白が大きすぎて私はどのように貴方と向き合えばいいのか分からないよ。
仲良くしていたクラスメイトだったはずなんだが、大好きだったはずなんだが、うーん難しいなあ。
尊敬していた女の子だったから、当初から随分と大人びていたものだから、私はただただガキを極めているばかりだったものだから、
そんな私に今更声を掛けてくださる理由がまだピンと来ていなかったりするのですよね、なんでなんやろか……。
いやきっかけは分かっているんです私の苗字が変わっていることに驚かれたのでしょうそうでしょう分かっておりますともそういう方は他にもおられました。
ただそういう方々って「おめでとう」「びっくりしたよー!」「よかったね」「羨ましいなあ」「また機会があればご飯行こうね」とか、
そういうことを一方的に(人の善意に対してなんて言い草だ)告げてくださって、去って行くだけで、
そこから会話に発展することなんてこれまで一度もなかったものだから、ちょっとびびっているのですよね。
(「また機会があればご飯行こうね」っていう、これは「今日は寒いね」くらいの常套句であることは分かっている、分かっているのだけれど、
私はこの「ご飯に行く」がどちゃめちゃに嫌いで苦手で恐怖の対象で、今でも数える程の近しい人としかまともに食事を楽しめないガキであるがために、
これを言われる度に心臓がひゅってなって、善意で告げてくれているはずの相手であるにもかかわらず恨みたくなってしまうので、本当に、辛い)
ただ、そうした私の歪みの開始点を知っている、身内と先生以外の相手なので、再会して、こうしてお話できることは素直に嬉しく思っているんです。
歪みの真っ只中にいる私の肩を宥めるようにぽんぽんと抱いてくれたことがあって、本当に、本当に嬉しかったんです。
彼女のくれた手紙、彼女が趣味で書いていた文章、描いていたイラスト、全部捨てずに取ってあるんです。宝物なんです。
だからこうしてお話ができて、とても嬉しいんです。声を掛けてくれたことに関しては感謝しかないんです。
でも……会話が、難しいのです。
だって私達はもう、中学生じゃないんだもの。