今じゃ誰に言っても信じていただけないような感じですが、私、BW発売当初はゲーチスのことなんとも思っていないというか、その、あれだ、
「うっわ最低だこのボス、Nのためにもさっさとタコ殴りにしてしまおう」とかいう至極まっとうな並一通りの認識しか持っていなかったのですよ。
けれどもBW2を経て、イッシュでの物語を編もうというところになると、どうしてもこのゲーチスおよびプラズマ団について、深く深く掘り下げて考える必要が出てくる。
まあ要するに、彼という存在を書くために彼のことを考える必要性が生まれてくるわけですよね。
憎く思っていた相手であったはずなのですが、彼という存在を理解しようと努めれば努めるほどに彼に妙な執着が湧いてくる。
そしてゲーチスさんはあくまでも原作沿いの連載にラスボスとして登場させるだけのつもりだったのに、いつしか彼メインの連載を書こうと思い始めることになる。
そんなこんなで今に至るわけなのですけれども、狛枝もこれと全く同じルートを辿るに至っているのとても興味深くて面白いし、
なんなら主人公が狛枝に関わろうとする理由にも通ずるところがありさえするので、私はある意味で日向くんとのシンクロを果たしたと言えるのかも。
いや勿論日向くんは狛枝の物語を綴ろうなどとは思っていないのだろうけれども……。
一方、イズルはというと、これはポケモンで言うところのクロバットに近いかもしれない。
片翼を書き始める前までは、私、クロバットのことそこまで好きじゃなかったというか、それまでパーティに入れたこともなかったのですよね。
けれども片翼やサイコロにおいて、どうしてもシアが「そらをとぶ」であちこち飛び回る必要が出てくる。
そんでもってその「そらをとぶ」描写に相応しいのはどう考えても素早さが高いポケモンなのだけれども、イッシュ出身のポケモンってそんなに素早くない。
となるとBW2においてヒウンシティの下水道で出会うことができるズバットの最終進化系、130族の彼が最も相応しいんじゃないかという話になってくる。
「まあ別にクロバットに何の思い入れもないけれどこの子でいいかな」くらいの認識で取り入れたはずのシアの手持ちポケモンが、今じゃ彼女を象徴するパートナー的ポジションに。
そんでもって私もすっかりクロバットの虜になってしまっていたりして……いやぁ、書くって恐ろしいなあ。書けば書くほどに好きになるんだものなぁ。
イズルもクロバットの導入方式に似ているところがあって、
「ダンガンロンパで物語を書いてみたい! でも夢主のバリエーションが私の頭の中にはYとKしかいない! そんでもってYなんかあの世界に入れたらすぐ死んじゃう!
でも平穏を好むKが自ら興味を持って接していきそうな人物って、あの個性爆弾な16人の中にいるだろうか?
というか16人で構成された完璧なコロシアイ修学旅行の中に「更にもう一人加える」などということが、ダンガンロンパのファン歴1年未満の私に許されるのだろうか?
コロシアイ修学旅行はそのまま16人の状態で、なんとか彼等の生きざまを想えるような物語を作れないだろうか?」
とか考えた結果、「成る程イズルなら問題なく描写できる」という、生粋のイズルファンの皆様に叱られてしまうような選び方をしてしまった訳ですけれどもね……。
けれども書けば書くほどになんかもう、うん、飲み込まれてしまいました。ひっさしぶりに「落ちたぁー!!」というような感覚を味わいました。
これはBW2のクロバットやXYのフラダリさん、SMのザオボーさんなどに匹敵する衝撃でした。
ただ、イズルという「ガワ」を好きになったのはあくまでもおまけ要素というか連鎖的反応のようなもので、
根底にあるのは「イズルが存在している」という「概念」自体への愛でありこれは揺らぐことがないだろうから、ポケモン界へのラブとは種類がだいぶ違う、かな?
狛枝は「最初は苦手かつ嫌悪感を抱く部類の相手だったにもかかわらず、物語を編む過程で興味を持たざるを得なかった」人物。
イズルは「最初は特に意識していなかったにもかかわらず、物語を編む過程で好きになることを運命付けられてしまった」人物。
ちなみにダンガンロンパでドストレートに好きなのは田中くんなのですが、彼は本当に素晴らしい人間でとてもとても好きなのですけれども、
ただ、彼の生き様や思想の美しさというものは既に原作の彼の口から証明し尽くされているため、私ごときが更に考察を巡らせて妄想を綴る必要が露程もないのでした……悲しい!