三十の詩

29:LET’S GO ANYWHERE TOGETHER AGAIN.

 翌朝、ウォロがそっと目を開けて隣の寝袋を見遣ると、彼女の姿はそこにはなかった。何度か二人で野宿を行ったが、彼女より先にウォロが起きられた試しがなかったため、特に気にはならなかった。けれども十秒経っても、一分経っても、周りで人の動く気配が少しもしないことに気付き、彼の意識は一気に覚醒した。自身が朝に弱いことをすっかり忘れ、寝袋を蹴り破るようにして飛び起きたのだった。

「……」

 焦げた匂いの残る焚火の跡、おにぎりが包まれていた竹皮の残骸、綺麗に畳まれた寝袋と防寒具、巨木の根っこに積み上げられた二十八個のポケモンボール。
 メモ帳は見当たらない。彼女の鞄と靴もない。当然のことながら、彼女もいない。
 この事態を昨夜の段階で予想できなかった訳ではなく、ある程度覚悟して受け入れる準備はしていたつもりだったのだが、いざ目の当たりにしてしまうと心の動揺は最早どうしようもなかった。ウォロは慌てて靴を履き、ポケモンボールだけを引っ掴んでポケットに入れ、髪をまとめることさえしないままに走り出した。山の向こう、東の空から眩しい太陽が顔を覗かせ始めた頃のことだった。

 このような必死な心地で駆けるのは随分と久しぶりだった。この数日間で歩幅を小さくして歩くことにすっかり慣れてしまっていたウォロの脚に、この寝起きの全速力は殊の外、堪えてしまう。
 だが休んでなどいられない。今のウォロにはウォーグルやアヤシシを呼ぶ術がないのだから走るしかない。己の魂をすり減らしてでも走り続けなければ、身も心も削るようにしてこの世界で生き続けてきた彼女の背中には、もう到底、追い付けない。
 酸素が足りない。頭がぼんやりする。まだ黒曜の原野を出てすらいないのに、脚が既に痺れるように痛い。それでも立ち止まることが恐ろしくてウォロは足を動かし続けた。鈍った頭へ断片的に想い起こされるのは、これまでの彼女の言葉たちだった。

『私が愛したポケモンの世界は、夢じゃなかった。貴方たちは確かに此処にいた。その確信があれば私はこれから先、きっと何にも絶望することなく生きていける』
 そんなもので救われたように微笑むことのできる彼女へと、駄々っ子のように喚き立てて憤慨し、みっともない懇願さえ為した自分がいた。

『どうして貴方が泣くの。私とさよならできることがそんなに嬉しいんですか?』
 自分では彼女を引き留められないという確信に打ちひしがれた男へとあやすように伸ばされた小さな手、それを決して離すものかと強く抱き留めた自分がいた。

『きっと私、貴方がしたことをずっと忘れられない』
『貴方もきっと、私のことを最後まで許さない』
 互いの悔恨を示し合い、互いに苦しめられた不条理を開き合い、そうした全てを許容し合って二人並んで隣を歩いているという状況に、喜んでしまっている自分がいた。

『貴方のせいで此処に来たのに、貴方のせいで帰れない』
 帰れない理由の全てに「ウォロ」という名札を付け、嫌いだと口にすることでどうにか救われようとする彼女の愚かさに、自らのかつての暴挙を重ねて安堵する自分がいた。

『私の言葉、ちゃんと貰ってくださいね』
 昨夜、眠る寸前に彼女が呟いていた音を思い出し、ウォロは思わず笑ってしまう。
 貰っている。もう十分すぎる程に貰っているとも。だってこんなにも覚えている。頭の回らないこんな状況でさえスラスラと思い出せる。アナタがワタクシに向けた言葉を、ウォロは何一つ忘れ去ることができずにいる!

「!」

 ポケットの中、ポケモンボールが大きく震えている。取り出せばウォロが投げるより先におのずから開いて、古くからの相棒であるトゲキッスが飛び出してきた。白く柔らかい翼をぺたりと地に付けて、ウォロの方へと頭を深く垂れている。自分を使えと、この背に乗ってくれと、そう訴えているのが分かってしまう。ウォロにはもう迷っている暇などなかった。

「天冠の山麓、神殿へ……向かってください。かなりの高所ですよ、登れますか?」

 勿論だ、と同意するようにトゲキッスは大きく一鳴きして、大志坂からぐいと勢いよく飛び上がった。ウォーグルのスピードには到底及ばないが、それでも既に疲労が溜まったウォロがそのまま陸を走り続けるよりはずっと早く、目的地の神殿まで辿り着けそうだった。
 ウォーグルは急上昇と滑空を繰り返して宙を飛ぶポケモンだったが、トゲキッスは風を利用して徐々に高いところへ向かう飛び方を好むようで、高度差のかなりある天冠の山麓でも、気紛れに吹き荒れる風に自らの体を乗せる形で飛行を継続させることができていた。少しずつ上へ上へと昇っていく白い体に視線を落としながら、ウォロは今のこの姿を彼女が見たらどう思うだろう、などと考えた。

『ワタクシは結局ひとりでしたが、アナタは違う……ポケモンと共に夢を叶えるのでしょう!』
 あの神殿でウォロが言い放った発言を引き合いに出しつつ、「でもほら、やっぱりウォロさんだって私と同じだったじゃないですか」と「ポケモンたちはもうとっくに、ウォロさんと『共に』在る心づもりですよ。まだ気付かない振りをするんですか?」と、笑いながらそのように柔らかく諭してきそうな気がする。ウォロは忌々しげに彼女を睨み下ろし……「アナタのめでたい目にそう見えているのなら、そういうことにしておいては?」とでも憎まれ口を吐くのだろう。そんな下手な暴言を受けても尚、彼女は嬉しそうにへらっと微笑みさえするのだろう。

 迎月の戦場を超え、坂を上ったところでトゲキッスはウォロを下ろした。ボールに戻す直前、「ありがとうございます」と何の逡巡もなく告げられたのは、彼女が呼び出したウォーグルやアヤシシに対して毎回そのように声を掛けていたのをこの数日で何度も見てきたからだろう。ポケモンと共に在る彼女のやり方を踏襲したウォロもまた、そのようになることを受け入れつつあった。ただの「二人」と「共に在る」ことの違いがTWOとTOGETHERで書き分けられるように、ウォロと彼女の違いもまた、こうした些末なことの積み重ねにより生じていたのかもしれなかった。
 その些末であったはずの違いさえ、埋まり始めている。彼女ほどとはいかずとも、ポケモンを愛する自身の心地は、容易には否定しきれないところまで来ている。ウォロはもう、ポケモンと共に在ろうとする自身のことを躊躇えない。

 洞窟を抜けた先に広がる石段に足を掛ける。数日前にこの場所を訪れた際の光景をウォロははっきりと思い出せる。ギラティナたちにより壊された神殿、槍の柱とでも呼ぶべき場所へと足を運んだ彼、その未練がましさを嘲笑うかのように、あの日の神殿には冷たく乾いた風がびゅうびゅうと吹き荒ぶばかりだった。覚悟を結び直すための転換点、その舞台として選んだはずの場所で、ウォロは神殿の割れ目に顔を突っ込んでアンノーンを探している彼女と出会ってしまったのだ。

「……」

 石段を登り切った先の開けた場所、折れた柱の傍に彼女の鞄が置かれていた。中にはポケモン図鑑や申し訳程度の携帯食料、ダイケンキたちの入ったポケモンボールがそのまま残されていた。メモ帳は見つからなかった。彼女もいなかった。おそらくは彼女の選択に、その帰還に、ウォロは間に合わなかったのだろう。

 あの日、あの場所には彼女がいた。神への道はやはり開かれないままだった。
 そして今、この場所に彼女はいない。……けれど。

「まさか」

 ウォロは瞬きを忘れたかのように立ち尽くした。壊れた神殿、槍の柱から天に向かって高く伸びる光の階段が、何故かウォロの目には「見えて」しまったからだ。

「何故だ、アルセウスよ。どうして、今になって」

 神に選ばれた者にしか開かれないはずのその道が、彼女を招くために開いたのであろうその道が、何故かウォロを前にしても閉ざされることなくそこに在る。此処に「てんかいの笛」はないのに、ウォロの手元にはもうプレートの一枚も残っていないのに、それでも神への道は、ウォロがそこへ足を踏み入れることを完全に許しているかのように、あまりにも眩しい輝きでそこに伸びている。ウォロを神の御許へと導いている。

「……」

 ギンガ団の本部へと忍び足で侵入し、屋上でWのアンノーンを捕まえた時のことをウォロはふと思い出した。彼女はアルセウスの加護を一身に受け続けている忌々しい存在、そのような認識が初めて揺らいだのがあの日だった。彼女がこの世界で結び培った絆や信頼、そうした、全ての命に対する真摯な関わりを通して、真に「一人ではなくなった」彼女であったからこそ、ウォロは敗れてしまったのではないかと。アルセウスの加護はその実、そこまで重要な要素ではなかったのではないか、と。
 そのおぞましい考察を、当時のウォロはどうしても受け入れることができなかった。「一人ではない」彼女に破れたことを認識した上で、その彼女によって「一人ではなくなっている」というあの状況を受け入れることがどうしても恐ろしかった。真綿で首を絞められるような優しい地獄に落とされているように感じてしまったのだ。
 けれどもあの時認めてしまっていたなら、受け入れることができていたなら、この神への道はもう少し早くウォロの前へと現れていたのかもしれない。

 今なら分かる。彼女との「二人」を喜び尽くした今なら、こちらからは決してあの手を離すものかと決意した今のウォロならもう受け入れられる。ウォロに必要であったのは、神話を解き明かすための知識でもギラティナを従えるための力でも、ましてやプレートなどでもなく、本当は……本当は。

「ALONE……TOGETHER……」

 かつて、ウォロのために在る言葉であるように思われたその音。そして同じように、彼女のためにこそ在る言葉であるように思われたその音。それら二つを今再び繰り返してウォロは笑った。

「アナタは見ていてくださったのか。ワタクシが真に『一人』ではなくなるまで、『二人』を喜べるようになるその瞬間まで、ずっと、我々のことを」

 高く昇った太陽がウォロの長い黄金色の髪にあつく降り注いでいた。石段の向こうから駆けてきた一陣の風が、その髪を梳かすようにそっと吹き上げていった。
 これを上ればきっとウォロの悲願が叶う。神に相まみえたその先でこの世界を創造し直し完全に新しいものへ。その好奇心と野心はウォロの根幹を為すものとして、僅かにも擦り減ることなく彼の中にしかと残っている。
 彼は変わらない。彼のかねてからの夢は否定されてなどいない。けれど。

「……」

 ウォロは天を高く見上げて、にっと微笑んでから踵を返し、石段をゆっくりと下りた。巨木の下に荷物を置いたままにしていることを思い出したからだ。あの場所で彼女を、もしかしたら戻ってくるかもしれない彼女を、今日くらいは辛抱強く待ってみよう、と思ったのだ。それこそが今のウォロの為すべきことだと彼は確信していた。神への謁見を後回しにしてでもやらなければいけなかったこと。一人を悲しみ二人を喜べるようになった今のウォロが、この世界で捨て置けない思い出を増やし過ぎてしまったウォロが、何よりも優先すべきだったこと。
 以前来た時には二人、憎まれ口を叩きながら駆け下りた石段を、ウォロは一人でゆっくりと踏みしめながら下りた。洞窟の手前で一度だけ振り返った。天に伸びる階段はまだそこに在った。いつか必ず相まみえてやろう、とウォロはひどく穏やかな心地で笑った。

 ウォロの夢は潰えてなどいない。ただそれよりも大事な用が出来ただけ。夢と現実の狭間で迷い困っていた彼女のように、ウォロもまた現実を……彼女がいないというこの現実を、受け入れるだけの時間が必要だと思っただけ。今日という時間はそのために在るべきだ。そうとも、今日くらいはあの子供を優先してやったところで、きっと罰など当たるまい。

 *

 巨木の戦場に戻った頃には日が傾き始めていた。野生ポケモンに荷物を荒らされているのではと思ったが、その心配は無用だった。二十八個のポケモンボールからアンノーンを勝手に取り出し、宙に並べては幾つもの言葉を作って遊ぶ、奔放でやや無作法な「先客」が、ウォロや彼女が置き去りにした荷物の番をしてくれていたからだ。

「おや、清々しい表情じゃな。てっきり寂しくてその目を泣き腫らしているものと」
「どうもお久しぶりですねコギトさん。いやぁ、ご期待に沿えず申し訳ない」

 いつもの困り眉をこちらに向けて、隠れ里の住人である女性、コギトはふっと笑った。泣き腫らしている、というかなり不本意なその指摘からして、コギトの側でもウォロと彼女の間に何があったのか、おおよそのことを知っているのだろう。彼女はあの神殿へと向かう前に、隠れ里へと向かったのでは。そんなウォロの推測は、コギトが懐から取り出したあのメモ帳により呆気なく肯定されてしまう。

「万が一にも無くなると困るものだから、預かっていてほしいと言われての。懐かしい文字が並んでいて、なかなかに楽しめたぞ。いい暇潰しになった」
「ああ、アナタが持っていたんですね。勝手に中身を見てほしくはなかったのですが」
「まあ許せ。あたしはそなたのように、あの子から対価を貰えぬままじゃったからの」

 ウォロは彼女と神殿で戦って以来、コトブキムラの人々やコンゴウ団、シンジュ団の住民たちとろくな交流を取っていなかった。彼の方からムラや集落へ立ち寄ることを滅多にしなくなったというのは勿論のこと、仮に他者から話し掛けられたとしても愛想笑いか何かでその場を濁し、早々に立ち去ろうとしたに違いない。そんな彼が対話を受け入れる相手がいたとして、その可能性が最も高いのがこの女性だと彼女は踏んだのだろう。その思惑通り、ウォロは特に逃げ出すことなくコギトと会話をして、彼女が託したメモ帳も無事、彼の手元に戻ってきている。
 だが……彼女がコギトにメモ帳を託した理由はもう一つありそうだった。

「懐かしい文字、と言いましたね。アナタにはこのアルファベットが読めるのですか?」
「読める」
「で、では訳してほしい文章があるのです! 解説のないままに書き残されたものが幾つか……」

 そう言ってウォロはメモ帳の中ほどのページを開き、再び渡した。群青の海岸で彼女が書き記した文章を指差すと、コギトは懐かしそうに目を細めながら、今の文字を読むのと大差ないスピードであっという間に解読してしまった。

「こっちの『PROMISE』は約束という意味じゃ」
「次の文章は? TOGETHERだけは分かるのですが」
「ふむ、『LET’S GO ANYWHERE TOGETHER AGAIN.』……また一緒に何処へでも行こう、と訳せそうじゃのう」

 また一緒に何処へでも。
 それは「もし元の世界に帰れなかったら」という仮説をあの廃船で立てた際の返事だ、とウォロは即座に察しがついた。もし戻れなかったらその時は、新しいポケモンとの出会いを求めて、ヒスイを出て海を越えて遠くへ行こう。貴方も一緒に。そう誘って楽しそうに笑っていた彼女の姿を思い出しながら、ウォロはメモ帳を楽しそうに捲るコギトを横目に見遣る。

「親愛なる人へ。……貴方は、一人じゃない」
「えっ? 急にどうしたんです」
「どうしたとは何じゃ。そなたが訳せと言うから訳してやったというのに」

 コギトは苦笑しながらメモ帳の最後のページを開いた。そこには昨夜まで記されていなかった文字が新しく刻まれていた。おそらくは昨夜、ウォロが眠ってから、彼女がコギトにこれを託すまでのいずれかの時間に書き記したのであろう。ウォロがその存在さえ知らなかったアルファベットの羅列を、コギトはまたしてもすんなりと読み上げる。
 いや、そのうちの一つ目には覚えがあった。昨夜のアンノーンがウォロの傍で作り上げたあの言葉が、そのままメモ帳の中に閉じ込められていたのだ。「MYDEAR」と昨夜見えたあの文字たちは、彼女が此処に記した言葉を参考に並んでいたのだろうか。

「『MY DEAR』えっと、こちらが……何ですって?」
「親愛なる人へ」
「その下が?」
「貴方は一人じゃない。『YOU ARE NOT ALONE.』を訳すと、そうなるな」

 ALONEとTOGETHER。ウォロが心中で何度も繰り返してきたその言葉。その二つをこの解説のない文章の中へ盛り込んだのはきっと恣意的なものだろう。ウォロがこの二つの言葉に特別な意味を見ていたように、彼女もまた同じような見方をしていたのだ。
 二十六種のアルファベットと二つの記号により作られた言葉、その言葉が作る意味、そこに意味を見ることができる人々の力。文字から、言葉から、意味から、ウォロにもはっきりと感じ取れてしまう彼女の想い。きっと何年先にも残り続ける、二十九番目と三十番目の調べとなるに違いないもの。彼女がウォロへと本当に贈ろうとしていたもの。
『私の言葉、ちゃんと貰ってくださいね』

“約束。また一緒に何処へでも行こう”
“親愛なる人へ。貴方は一人じゃない”

「そなたをまた一人にしておいて、NOT ALONEとTOGETHERとは」
「……」
「滅びの詩のようじゃな。そなたはその調べをきっと、永劫忘れることができぬだろうよ」
「フッ、あっはは! 上等ですよ。忘れられないのなんて今更だ。それに滅びだなんて……馬鹿を言わないでいただきたいですね」

 コギトは大声で笑う男を見遣りつつ苦笑した。そんなボロボロの表情で、今にも泣き出しそうな子供のような顔で、よくもまあそれだけの虚勢が張れたものだ。
 それでもこの寂しい男が、ただ一人きりで強く在ることではなく、他者の何かを拠り所として生き抜くことを選んだのなら……それは祝福されるべきだ。この男のしでかしたことの是非を抜きにして、ただ喜ぶべき、歓迎すべきことだ。何故なら命とはそういうものであるはずなのだから。「命は別の命と出会い何かを生み出す」そんな節理の中に、この男もようやく戻ることができたということなのだから。

「この調べが、この記憶が、ワタクシの魂を強く生かしめるのです。何年、何十年、何百年と、永遠に」

 あの時空の迷い人は最後の最後に、この男とさえ絆を結んだのか。何という根気だろう。彼女の、ポケモンと人の生きるヒスイ地方にすべからく向けられた慈愛と献身にただただコギトは畏れ入った。……いや、もしかしたらあるいは、単に世話になった彼と「仲直り」できないまま別れることが悔しかっただけなのかもしれないけれど。
 そんなことを思いながらコギトはメモ帳を畳んだ。パタン、と軽い音を立てた言葉の花束たちが、涼しい墨の香りを二人の鼻先へそっと送り込んできた。

2022.2.23

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