M、ビートについて

※このページは7割のビートと3割の妄想で構成されています。

ところでね。
ビートの手持ちにミブリムがいたんですよ。一番初めの勝負の時からずっといたんですよ。
これね、進化するとあのテブリムになるんですよね。静粛ポケモンのテブリムになるんですよね。
そんでもって彼のリーグカードの裏面にこうあるんですよ。

「施設を訪問したローズ委員長に1匹のポケモンを与えられ、彼の人生は変わりだす」

……ビートが繰り出してくるポケモンって、1戦目ではユニラン、ゴチム、ミブリムの3匹だったんですよ。
で、ガラル地方が舞台であることから、ローズ委員長がユニランやゴチムを与えた、とは考えにくいんですよね。
そうなると必然的に彼がビートに与えたポケモンというのはミブリムということになる。
ミブリムは「穏やかポケモン」であり、「頭の突起で生物の気持ちを感じ取る。穏やかなものにしか心を開かない」ってあるんですよね。
けれども進化してテブリムになると「強い感情を持つものは相手が誰であれ黙らせる。その手段は実に横暴」とかいう「静粛ポケモン」になるんですよね。

「他人となじめず問題を起こしてはケンカばかりだった」というビートに、このポケモンを渡したローズさんの意図を考えると……。
なんだかなあという感じがするんですよね。
これ、パターンとしては現時点で2つほど思い付くのですが、

1:ローズさんは本気でビートの将来を案じており、感情コントロールのサポートをしてくれるであろうミブリムを与えた。
→ けれどもそこまで気に掛けていたビートの名前をすぐに思い出せないという描写があるってのは大問題のような気もする

2:ビートの「トレーナーの才能」をローズは出会った時から既に読んでおり、
彼の感情の暴走が後に大きなトラブルを生むのではないかと懸念して、その抑制のために、彼の激情を鎮圧してくれるパートナーを当てがった。
→ これが「ガラル地方の平穏のため」であるか「自らの計画を邪魔されないようにするため」であるかについてはまだ分からないけれども……。

あるいは私の想像もしていないような第3のパターンがあるのか、それともビートがミブリムを連れているのは「エスパータイプだから」という理由だけなのか。
うーん今の段階じゃこれ以上のことは分からないですね、くやしい! でも考察の余地がいっぱいあって楽しい!

などと暢気にプレイメモに記載して、さあて続きを、と思っていたらすぐさまビートに関するとんでもないことが起こりました。
以下、プレイメモの内容をほぼそのまま写しています。

サイトウさんとの試合を終えてジムを出たら爆発音みたいなのがしたので、ソニアさんと一緒にラテラルタウンの北西部にある遺跡へ向かったのですが、
遺跡の壁画をビートが、見慣れないゾウと共にぶっ壊していたのですよ……あかんすぎる……これはあかんすぎやろ……ちょっとここまでの暴挙は想像していませんでした。
お前、何をしようとしているのだ?

「もっと! もっと壊しなさい! ねがいぼしを掘り出すのです。ねがいぼしを集めれば委員長が認めてくれます!
ダイオウドウ! あなたも委員長のポケモンならば、ねがいぼしを探せることを心から喜ぶべきなのです!」

ダイオウドウという、委員長から借りたポケモンで遺跡を壊そうとしている、といった場面ですね。おいおいおいやってくれたなぁ!
止めに入った主人公にやはりバトルを仕掛けてきます。

「やれやれ……あなたですか。今からでもねがいぼしを集め、委員長に気に入られたい。そういうことですか。成る程、考えたものですね。
ですがそんなことは認めません! 誰にも邪魔はさせないのです」

手持ちですが、ユニラン、ゴチムは1回進化しており、ガラルポニータはそのまま、ミブリムはテブリムに進化していましたね。

テブリムを出す直前に「委員長のために勝ちます! ぼくの生きる道を塞がせるか!」
出した後に「ぼくの相棒が放つ技はさぞかしゴキゲンでしょうよ」と言うんですよね。

やっぱりこの子だ! ビートはローズさんからミブリムを貰っていたんだ!
しかも本気で、本気の本気で、委員長の役に立って認めてもらうことだけが生きがいになっているんだ!
委員長に認めてもらうことが「ぼくの生きる道」とまで言い切れてしまうんだ!
これは……あまりにもあんまりな辛さではないだろうか。

以下、勝利後の展開のメモです。

「なぜ、どうして……ぼくが邪魔されるのです? 委員長に選ばれ、いずれはチャンピオンに勝つ……いわばガラルを背負って立つエリートのぼくなのに……!」

(オリーヴさんとローズさんがジムチャレンジのスタッフらしき方を引き連れて遺跡への階段を上ってくる)

「ビート選手! ローズ委員長のダイオウドウをお借りしたいって何事かと思えば……まさか遺跡を壊すだなんて!」
「1000年先の未来に比べ、遺跡が何だと言うんですか!?
そのような、あまいかおりよりも甘ったるい考えで、委員長をサポートできますか? なぜ秘書をしているんです?」

(ここでローズさんにカメラが映る。ゆっくり彼の顔がアップになっていく最中で彼が)
「ビートくん」

(いつもの笑顔のまま、緑の目がすっと細められる)(こわい)
「声を絞り出すけれど、本当に残念ですよ。
確かに幼いころ、孤独だったきみを見出した」

(頭を抱えて眉を下げる)
「才能を伸ばすため、トレーナースクールにも通わせたし、昔のわたくしを思い出し、チャンスも与えましたよね」

(再び笑顔に戻る、でも左の眉だけ下がっている)
「ですが遺跡を壊すような、ガラルを愛していない……きみのような選手はジムチャレンジに相応しくない! 追って処分を決めるから、すぐナックルシティに戻りなさい」

(この場にいる全員を遠くから映した後、ビートにカメラが切り替わる、菫の目が愕然としたように大きく見開かれている)
「ウソ……ですよね? ぼくが失格ということは、選んだあなたのミスですよ? 100ある選択肢の中で最も最悪のチョイスです!」

(オリーヴが腰に手を当てて)
「ビート選手、あなたが集めていたねがいぼしは預かっておきます」

(周りにいたスタッフがビートに詰め寄る、ビートがのけぞって怖気づくような姿勢を取る。
その後暗転、ビートとスタッフが去り、ローズさんとオリーヴさん、ソニアさんと主人公が残る)

「ソニアさん、ナユくん、とんだトラブルでしたね。
こんな形でチャレンジャーが消えていくのは寂しい限りだが、大会はフェアでないとね」

(ローズさんとオリーヴさんが立ち去る、ソニアが主人公へ向き直る)
「ビート選手の試合で実況が言っていたけど、身寄りがいなくて、引き取ってくれた委員長のために戦うって。ふぅ……遺跡は無事かしら?」

ここから、ビートが入れた壁画の亀裂が原因で遺跡が崩壊し、その奥に隠された英雄の像(2人分)とザシアン・ザマゼンタの像が現れて、
ガラルに伝わる英雄は「1人」であったにもかかわらず、より古代の遺跡を調べると英雄が「2人」であるとする情報ばかり出てくるので、
その違いにソニアさんが「英雄が二人いたということ、剣と盾はポケモンだったという事実は意図的に隠されたもの」なのではという仮説を立てたりするのですが。

そんなことより何より皆さんこいつをどう思われますか!?

だって、ねえ、あんまりじゃないですか。
委員長のためと信じて、ただ彼に認めてもらうことだけを生きがいとして暴挙を働いてしまうビートもそうだし、
そんなビートを「ねがいぼし集めのための道具」として散々こき使った挙句、用済みになればこれまでの成果だけ強引に奪っていくリーグの面々もそうだし、
ビートを引き取りまでしたのに名前を忘れて、無慈悲にリーグ挑戦権をはく奪して、
しかも早速そのジムチャレンジャーを過去のものとして「寂しい」などとのたまうローズさんもそうだし、
……いやもう、まだ中盤なのにこんな辛いことがあってええんやろか……。

美しさ、および秩序を保つための粛清の方法がカロスよりもずっと人間臭くて、気持ち悪いように思われてしまいました。
でも、大好きです。大好きなんですこういうの。

あと今回、気になる情報が出てきましたよね。
ビートの発言「1000年先の未来」、あとローズさんの発言「昔のわたくしを思い出し」の2点。
ビートはローズさんから「ねがいぼしが必要となる理由」を聞いていたのですね。まあビートに伝えたそれが真実かどうかはちょっと怪しいところですけれども。
あとローズさんも身寄りがないとかそういうあれなのか、それともビートのような激情を持て余す一面があったのかというところについても疑問が残ります。
でも今はただ、悲しいなあ。

い、いや、悲しいけれどまだ中盤だ、きっとこれからどうとでもなるよね、だって此処は夢と冒険とポケットモンスターの世界なんだもの!
……とか言って私の心を希望で満たしておかないとなんか本当に泣きそうになってくるんです許してください。

2019.12.8

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