C、ブラッシータウン~ワイルドエリア駅前

ポケモン図鑑を手に入れるため、ポケモン研究所に赴きます。
1番道路に入り、新しいポケモンとの出会いにその都度悲鳴を上げつつ捕獲を楽しみつつ命名も楽しみつつ、ブラッシータウンへ到着です。
ポケモンを手に入れる前は、草むらを避けるルートしか通れなかったのですが、手に入れてからは逆に草むらを避けるルートがウールーの溜まり場と化しており、
否応なしに草むらに突っ込んで新しいポケモンと出会うことになります。

ココガラやホシガリスなどのポケモンに挨拶しつつ、ポケモン研究所の前まで来るとダンデさんと再会し、一緒に研究所へ入ることに。
中にいたのはマグノリア博士ではなく、ダンデの幼馴染であるソニアさんです。
マグノリア博士が2番道路の先にある自宅にいることを教えてくれるので、そちらへ向かうことに。

ただ、ポケモン図鑑自体はソニアさんから貰うことができます。
何故か主人公が既に持っている「スマホロトム」にポケモン図鑑を入れてもらい、X画面からいつでもどこでも確認できるようになりました。
ホップも持っていますし、ストーリー後半で出会うことになるとあるジムリーダーもスマホロトムを使う描写があるため、
ガラル地方においてはこの媒体、かなり流通しているようですね。

ところでこのダンデさん、方向音痴であるという設定があるのですが、そんな彼に幼いころから散々迷惑を掛けさせられてきたのでしょうか、
ソニアさん、ダンデさんへの対応が少し冷たいような気がします。
ただこれも、今思い返すと同年代の子供で同様に向上心を持っていながら、片やチャンピオン、片や博士の助手止まり、ということであるため、
弟であるホップが抱くものと思っていた「劣等感」のようなものは、ホップではなくソニアの方が僅かに所持している、……と言えるのかもしれません。

その後、ホップにポケモンセンターを紹介してもらったり、中にあるカフェでいつでもニックネームを変えられることに驚いたり、
カフェのマスターの隣にいるタブンネの色違いみたいなポケモンに癒されたり、お花屋さんで木の実を購入したり、ブティックを覗いたりなど一通り楽しんでから2番道路へ。
ダンデさんにポケモンの捕まえ方を教えてもらい、モンスターボールを20個受け取ったところで、さあ、捕獲タイムだ!

<1番・2番道路で捕まえた新規ポケモン一覧>
※レギュラーメンバー以外はその場のフィーリングでニックネームを決めています。

・ココガラ「すみびやき」(黒い部分が炎に見えたのと、何だか怖そうだから早めに焼いてしまおうと思ったのと、大体そんな理由)
・クスネ「スリりんご」(悪タイプで「くすねる」と来たらもうこれしか思い浮かばなかった)
・サッチムシ「さんぼんまつ」(頭のあれがどう見てもゲーチスさんだったのですが、よく見ると胸元と尻尾にもあるから「ろっぽんまつ」が正しい)
・ジグザグマ「オレオ」(有名なあのお菓子、美味しそう)
・ホシガリス「ダンA」(ダンガンロンパ2にいた破壊神暗黒四天王の子孫かと見紛った)
・ウールー「しろワカメ」(どう見ても狛枝)
・ワンパチ「ホットポチ」(ホットドッグにしようと思ったけれど女の子にホットドッグはよくないと思い、可愛くしようと努めた結果こんなことに)
・カムカメ「ノコノコ」(マリオに登場するあの敵)

新規ポケモンが序盤から沢山いて驚かされました。
今作、発売前に公式HPで明かされていた情報が少なかったため、ポケモンに関しても登場人物に関しても、突然の登場、突然の出会いが多かったように思います。
情報の開示が極端に抑えられているような気がして、発売前はもどかしい思いをしたのですが、
この驚きやときめきのためだったのだと思うと俄然、あの情報制限に感謝したくなってくるので不思議なものです。

新しいポケモンと沢山出会ったその先に、マグノリア博士の自宅がありました。
2階にはソニアさんの部屋があり、大きなドレッサーにカラフルなコスメが並べられているのが印象的でしたね。
1階左の部屋では夫と思しき男性が植物を育てていました。

「自分がしたいことではなくて、植物が望んでいること。それを間違えなければ植物は育ってくれるよ」

これ、共に冒険に出た仲間が「感動した!」と言っていたので記念に書き起こしたのですが、うん、やはりこうして読み返すといい言葉ですね。
ものすごくシンプルな言葉であり、そうだよねと頷きたくなる。
更に「相手が望んでいることを察することの難しさ」については全く言及していないという少し酷な優しさが私の心には染み入りました。
おそらく10代前半くらいの子供であるナユ相手だからこそ、このように平易な言葉で説いてくださったのですよね、この男性。

けれどもそうした心意気の結果として、この部屋に生い茂る元気な植物たちがあることを考えると、
おそらく彼は既に「植物が望んでいること」を長い探究の果てにほぼ理解しているのでしょう。
達成者であるからこその「言葉の重み」、そしてその言葉を「子供向けに調整する力」……。
うん、確かに感動せざるを得ない台詞です。

そうそう、ストーリーの本筋としては、ジムチャレンジの話題がホップおよびマグノリア博士から出たところでしたね。
これまでのジムとは異なり、ジムチャレンジというのはポケモントレーナー全員が挑戦できるものではなく、
「ある一定の実力や素質を備えたトレーナーだけが、ジムリーダーなどからの推薦を受けてジムチャレンジャーとして挑戦権を得る」
というものらしく、この辺りは
「選ばれし子供だけがポケモン博士からポケモンを貰って冒険の旅に出ることができる」
という、カロスにもあった選民思想のようなものに通ずるところがありますね。

ポケモントレーナーになることは造作もないけれど、そこから高みを目指そうと思うなら、
実力と素質を備えたトレーナーとして強者に認めてもらわなければ、スタートラインにさえ立てない、ということのようです。

「博士からもアニキに頼んでよ、ジムチャレンジに推薦しろって」
「そうね、ダンデ。どうして推薦しないのかしら」
「ホップもナユも、ポケモンと出会ったばかりの未熟なトレーナーなんですよ」
「おやおや……。あなたの願いは、ガラルの皆が強いポケモントレーナーになることよね」
「あっ……! そういえばそうでしたね。大事なことを忘れていたぜ。だからポケモンを託したのだった」

と、マグノリア博士の言葉を受けて、ダンデさんの気持ちが変わったようです。

「よし分かった! 二人とも、オレが推薦せざるを得ない、素晴らしい勝負を見せるんだ!」

ということで、ポケモンを回復してもらってから、ホップと2度目のバトル開始です。
手持ちポケモンはウールー、ココガラ、ヒバニーの3匹。レベルはそこまで上がっていないため、苦戦せず突破することができました。

「モンスターボールの投げ方もバッチリ決まっていたのに!?」

と悔しがるホップですが、彼も推薦状を受け取ることができます。
正直ほっとしました。こんな序盤でいきなりトレーナーの淘汰が行われるのかとひやひやしておりました。
よかった、ホップとは一緒に頑張れるんですね。本当によかった。いやぁ、ガラルはあったかいなあ。

推薦状を受け取り喜び合う二人のすぐ近くに、いきなりですが空から星が降ってきます。
えええそんな馬鹿な!? しかも2つ降ってきている……!
ホップが躊躇うことなくこれを拾い上げます。
彼曰く「ねがいぼし」というものらしいのですが、都合よく2つやって来てくれたことを考えると、これが冒険における重要アイテムに化けるのでしょうね。
案の定、マグノリア博士が「ねがいぼしはそのままでは使えませんよ」とその2つを引き取り、一晩かけてとんでもないものを作ってくださいました。

「あなたたちが見つけた ねがいぼし を埋め込んだバンドよ」

▼ナユはマグノリア博士より貰ったダイマックスバンドを身に着けた!

博士によると「ポケモンをダイマックスさせるには色々と条件がある」とのこと。
発売前の情報によると、ダイマックスは「特定のエリアで起こる」とされているため、
その「特定のエリア」で「ダイマックスバンドを使用する」ことにより巨大化する、ということのようです。
まだその「特定のエリア」に心当たりがないため、今はマグノリア博士の助言にもあった「いろんなところに赴いて様々なポケモンと出会う」というのが一先ずの目的になる、のかな。

とか思っていたのですが、もう次の目的地が明らかになりました。
列車に乗った先にあるエンジンシティで、ジムチャレンジの開会式が行われるとのことなので、我々はそれに間に合うよう旅立つ必要がありそうですね。

再びブラッシータウンへ戻り、駅へと飛び込んだナユとホップをそれぞれのお母さんが呼び止めます。
お見送りのためにハロンタウンから来てくださったようです。なんて優しいんだ。ガラルはあったかいなあ。
お母さんからキャンプセットを受け取ります。これだな! これでカレー作りができるんだな! 楽しみです!
お母さんに「行ってきます!」と元気よく出発の挨拶を告げてから電車に乗り込み、エンジンシティへ……。

列車の中、スマホロトムで、ワイルドエリアに関する情報を見ている二人の描写があります。
正直、ワイルドエリアってED後のお楽しみ要素だと思っていたので、あれっこんな序盤で紹介してくれるなんて面白いな、などと暢気に思っていたら

早速ワイルドエリアにやって来てしまいました。

……なんということでしょう。
目的地はエンジンシティだったはずなのですが、線路の上にウールーが集まって列車が足止めされてしまっているとのことで、ワイルドエリアの駅に緊急停止したようです。
ワイルドエリアは広大ですが、此処を通り抜ければエンジンシティが目前ですので、列車の復旧を待たずにワイルドエリアを直行することになりました。

広大なワイルドエリアを目の前にして高揚しているホップの背後からソニアさんが姿を現します。あの列車に一緒に乗っていたのでしょうか。

「おばあさまに言われたのよね。あんたたちが旅に出るのに、あなたはどうするのかしらって」

髪を触りながらこのように口にします。
ソニアさん、現段階では唯一、ネガティブな感情を開示している人物であると言えますね。
……ただ、前作のハウのような例もありますから、今は底抜けに明るいホップも今後どうなるか分からないのが恐ろしいところです。

「それにあんたたちが森で出会ったポケモンのこと、気になるし、詳しく調べてみようかなって。何か分かればきっと、おばあさまも認めてくれる……!」

……今後のネタバレにもなってしまうのですが、今作では人と人との絆がかなり色濃く書かれていて(決して「しつこく」書かれている訳ではない)、
その絆が故に「誰かに認めてもらうために」「誰かのために」という理由で動き、力を奮おうとする人物が複数人います。
このような夢と希望溢れるポケットモンスターの世界においても、「自身の価値を他者に委ねようとする」傾向が多くの若者に根付いているという事実には、
良い方向にも悪い方向にも、色々と考えさせられてしまいますね。

「どうして、それなりに優秀な奴に限って、自分の力の価値を他人に委ねようとするんだろう。
どうして、飽きっぽくて身勝手で、大切なものが他にも沢山あるような相手に、揺るぎない価値を付けてもらおうと躍起になっているんだろう」
「そんな風だから、無理をし過ぎて、自滅するんだわ」

これは別ジャンルの物語において、ナユの一部に喋ってもらった言葉です。
実際、このソードシールドの世界においても中盤で「自滅」に近い状態に追い込まれてしまった人物がいることを確認済みであるが故に、
こうした悪癖というのは、人が人の形を取る以上はどう足掻いても消し去れないものなのだと思い知らされて、面白いような、悲しいような、複雑な気持ちになりますね。

2019.11.23

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