食欲はあるし、食べ物の写真とかぜんっぜん平気な顔で「わー美味しそうだなー」って見られるけども、飲食物の大半を受け付けず消化不良を起こし嘔吐もしくは下痢を繰り返す、食べられるものが徐々に減っていく、でも気持ち悪くなる程度にはずっと空腹である、飢えを感じながら食べたいものをあれこれと考えるけどもその7割が匂いの時点でダメになり、2割を完食できず、0割7分くらいを嘔吐か下痢でダメにする……。
卵スープは選ばれし3%の食品だと言ったな。あれは嘘だ。裏切ってきた。わたしはかなしい。貧血であるはずがないのに(サプリメントで補充済)ふらっふらする。
先週までの宝物みたいな二週間では、パーキンソン病と廃用症候群の併発で嚥下機能が低下して、食べられるものがどんどん減っていく方々とのお話し合いを少なからず、したんだ。だからなんだという訳でもないけれど、嗜好食聞き取りに同行し、大先輩の見様見真似で「何なら食べられそうですか?」と尋ねた自分が今更ながらひどく滑稽に思われてきてしまったなぁ。
何でも食べたいに決まってんじゃん、それができないから困ってるのに、「食べたいなと思うもの何かありますか(ただし貴方の嚥下能力上、ゼリー類ムース類しかこちらはお出しできませんけれども)」なんてよくもまぁそんな酷いことが訊けたもんだ。現にぼたもちとイチゴって彼女答えたじゃないか、食べさせてあげられないのに、そこまで嚥下機能が回復するかどうかも怪しいと医師の方言っていたのに、見せかけの希望で生き繋いでたんだな酷いことするなぁ。でもそうしなけりゃあの方そのまま衰弱する一方だったから、あの場で差し出せる希望がぼたもちとイチゴだったのなら叶うかどうか分からない将来の約束でも意味はあったのかも、しれない。
何が言いたいのか分からなくなってきた。今私はマロッシュとシャウエッセンが食べたいけれど空腹のところにそんな砂糖と肉と脂の塊なんざキメたら嘔吐および高血糖による動悸まっしぐらである。ここには管理栄養士がいるから、食べたいものと食べられるものと食べるべきもののバランスはできる限り取っていくぞ……がんばれ。