「貴方に出会って分かったことがあるんです。愛とは、痛いものなんですね」(ハートの国のアリス?)

 多分ねこれ、ゲームのPVで確認できる台詞なんですよ、ペーターの台詞なんですよ。多分「ハートの国のアリス」だと思う……。「クローバーの国のアリス」はかなりやり込んだからこっちなら場面とかスチルとかそれに対してアリスがどう返答したかとかしっかり覚えていなきゃおかしい。
 ジェヘナの「苦しみだけが絆なんだ」にも通ずるところがあるんですけれど、悲しみとか苦しみとか痛みとかそういうものにどっぷり浸かって、負の感情をあれやこれやと抱え込んで離すまいと意地にさえなって、そうして初めて「ああこの狂気こそが愛か」とか、ふと思ってしまうという、いやな境地……は、なんだか、こう、大人になってしまうとひどく優しいものに感じてしまうな。愛ってこういう生き汚いくらいが丁度いいのかもしれない。あっでもティーンの頃は信じていてもいいと思うんですよ、宝石のように美しく水のように清い愛というものを……そういう面があることも確かであるはずだから……いやごめん愛のことなんて私ほとんど知らんけど……随分と大口叩いちゃったな……忘れてくれ。

 アリスシリーズのペーターな、君はな、すごかったよな。キャラクターで誰か好きかってそりゃあもうナイトメア・ゴットシャルク一択だけれど、操る言葉と時の重みはペーターが一番凄かったよ。別に好きでも何でもなかったはずなのに忘れさせてくれないんだもの。もう何年も前に手放したゲームであるはずなのになあ、アクロマさんの名言みたいに何度も暗唱した訳でもないのになあ、でも覚えているんだよなあ。忘れさせてくれないんだ。凄いよなあ。
 君もあれか、クレイジー・ラブの使い手か。成る程なあそっかぁそれなら納得だなあ。多分私はあと何年たっても狛枝凪斗とジェイド・リーチとローズ委員長のこと忘れられないと思うんだよ。どれくらい忘れられないかってそりゃあもうこいつくらいだ。何年も前に1周しかしていないはずのゲームの台詞がぽこぽこ思い出されてしまう程度には記憶に杭を打たれてしまっている。あかん。クレイジー・ラバーはこれだから……。

 緑のたぬき食べよう。

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