プルースト現象ガチャ

 大抵は食べ物の匂いで嘔気やられるばかりで嗅覚過敏なんざいいことひとつもないと思うばかりだったのだけど、20回に1回くらい、ふわっといい香りとか懐かしい匂いに手が届く(鼻が届く?)ことがあって、色々と思い起こされては懐かしくなったり寂しくなったり嬉しくなったり情けなくなったりとか、できました。
 記憶の中の私は幼稚で利己的で保身という名の攻撃ばかりで、ろくなもんじゃねえなと恥ずかしくなるばかりでしたが、こんなに長い間子供でいられたのは家族と家族のおかげだったのだろうなぁとぼんやり思います。

 いや今も「昨日の私がみかんを食べられたからと言って今日の私が同じように食べられる訳じゃないんだよ、無理なんだよ今日は」とかとんでもない我が儘吐き散らす暴君には違いないけれど……ほんとこのコロコロ変わる胃はどうにかならんのか。振り回すのも嫌だし振り回される家族も可哀想だ。

© 2025 雨袱紗