+ あの場で「はい」と答えた時に為されるディラスの昔話が忘れられない
生贄、開いていた鍵、壊れた檻、友人……。彼は昔からずっとずっと愛されることが得意な人だったんだなというのが分かる。でも愛されることを喜ぶことは苦手な人のままだったんだなということもまた、分かる。そういう、彼の人となりと精神の無骨な頑なさというか……とにかく、彼は彼のままで生きてくれているんだなというのがこれでもかってくらい伝わってくる、めちゃめちゃ素敵なお話でした。
ただ、これは他の人の結婚イベントにも言えることでしたが、なんか不穏に持って行く流れと、そこから幸せいっぱいの空気に戻す流れと、両方ともがちょっと無理矢理感のあるせいで、プレイヤーがその不穏を飲み込み切れず、また平穏に戻ってからも「本当にそれでいいのか?」と不安に思ったまま結婚してしまう、みたいなケースが幾つかあって……クローリカイベントはその最たるものだったんだけど(結婚を躊躇うレベルで違和感あった)、そういえばアーサーさんのイベントでもちょっとばかし思ったっけなぁ。
メインストーリーでは情景描写の緩急が本当に綺麗で違和感のひとつもなかっただけに、恋愛イベントのジェットコースターみたいな乱高下急上昇はちょっと、うーん、興ざめ、と言えなくもなかったかもしれない。まあこんなのは重箱の隅を突くようなあらさがしでしかないのでね! 4は100点満点中200億点くらいある素晴らしいゲームなのでね!
3の恋愛イベントに関しては「正体を明かす」というところまでは全員分、見ていまして……。イベントとして収まりがよかったのはやっぱりメインヒロインのシアさん(この人、焼きもち焼くと笑顔で鉄千輪を投げてこようとするんだ、そういう静かなジェラシー見せてくるところ大好きですよ)ですかね。確かソフィアさんのイベントも進みとしては綺麗だったような気がします。
個人的にぐっときたのはダリアさん(エルフ)とかペルシャ(人魚)の「私も人とはちょっと違うの。だから君が言う違いなんてどうってことないんだよ」みたいな趣旨の受け入れ方を笑顔でしてくれるパターンだったのですが(更に言えばその違いについて実は不安に思っていたことを結婚後のデートで明かしてくれるダリアさんが3ではいっちばん好きなのですが)、一番ドラマティックだったのはトゥーナのあれでしたね。4でゲストキャラクターとして来てくれたのめちゃめちゃ嬉しかったなあ。
2はね! 2はね! ロザリンドさんが大好きなんだけどね! お義兄さんであるマックス(第二部では彼をマックスおじさんと呼ぶことができる、最高かよ)も含めて大好きなんだけどね! でもイベントとしてはドロシーのお人形さんと会話するやつが至高だった! お人形に頼らなくても喋れるようになったドロシーさん、真っ直ぐに主人公の方を見て喋ってくれるようになったドロシーさんの、目の、綺麗なこと綺麗なこと。顔を上げてもらえるってこんなに幸せなことかって貴方に教わったぞドロシーさん!
1はもう……2と3を遊んでから初代の伝説を見ておこうと思って、バグだらけのゲームに爆笑しつつも懸命に畑仕事をしながらミストさんにカブを捧げる毎日だったもので……お察しいただければと思うのですが……ふっふふミストさんほら今日のカブですよ。
オーシャンズは……えっ? ソニアと結婚する以外の選択肢があるのか? あれだけの日々を共にして支え合った魂の双子みたいな存在から「あっもう体別々になったな、そんじゃさいなら」みたいな感じで立ち去ることにアゼル貴様は何の違和感も抱かないのか? と半ば立腹する形でソニアに告白しました。末永く一緒にいろ!
あの、まあ5ではその、今更ルーカスさん以外の人に声を掛けるなんてことは在り得ないのですが、ただルーカスさんが×であるとほぼ確定した以上(最初は本気で狂言だと思っていた)、きっと「最後は必ず一人にする」んだろうなあという惨たらしい覚悟を決めてからでないと告白ができなくてですね……。
ああっでももうこうして悩んでいる時間が勿体ない! いくぞ! ええいままよ!