この雑草、しぶとい

 今朝8時頃は「よし、『死ぬまでに行きたい日本の百景』のうち花が一番きれいなところで死体になってやろう、そうしたらシェリーを超えたことになりはしないか」などという名案がふいに湧き出てきたりもしたものですが、帰宅してすぐやったことが泣き崩れるでも呆然とするでも花の観光名所を探すでも家具や電子機器に当たり散らすでも自傷に走るでも髪をジャキジャキに切るでもなく、買ってきた野菜を冷蔵庫に詰め込み大きく頷いてから、IHコンロの上に洗濯用液体洗剤をドンと置いて「ば、場違いー!」などと楽しみ(この、電子レンジの中に衣類が、とかいう不謹慎な場違い感は「君に読む物語」という小説を思い出させるので、ついやりたくなってしまう)、大急ぎで上に駆け上がって県内の×××科の病院を全て印刷し土曜休みのやつには線を引いて消して、行けそうな(行かせられそうな)ところをリストアップして「へっへへ私の体を人質に取って意地でも受診させてやろう、貴方が動くまで私は次の治療に行かないからな。病院の一つも自分で行けない癖に大口叩いてんじゃねえぞクソが。もうこれ以上の献身なんてやってられるか」などと心中でほざくとかいう、もう鬼もドン引きするようなお馬鹿さんの所業だったので……きっと私の気質としてはどちらかというと、消滅を希い美しく死にたがるシェリーではなく復讐に燃えて汚くてもいいからとにかく生きたがるアズール・アーシェングロットの方に寄ってるんだな……と思い、ちょっとばかし嬉しくなるなどしました。家族を敵に回してでも楽に楽に生きようとする性が私にはあるようなので何の問題もなかった! よし!

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