アーサー先生元気かなあ。嵐の館で起きた殺人事件を解決する回での登場人物なのですが男性では彼が一番好き。「私はこの秘密を生涯暖炉の奥に隠しておこう」のラスト、二十数巻手放した今でも鮮明に思い出せる。「何度別の作品を書こうとしても、かの主人公は『呪い』のように私のもとへ舞い戻って来た」とかいう彼の独白、当時はただかっこいい表現だなあと思うだけだったのですが、今思い返すとまた違った感慨がある。そうかシェリーお前のことかと笑ってやりたくなる。いいなあアーサー先生いいなあ。
4畳半の狭い自室に多くの本は置けないと判断し、新テニスの王子様(ファンブックのみ手元に残した)と黒執事(当時26巻だかそこらまで買っていたような気がする)をブックオフ持って行ったので、今の自室にある漫画は「名探偵夢水清志郎事件ノートシリーズ」のみです。知ってますかこれねぇ漫画化されているんですよふっふふ可愛い亜衣ちゃんたちに会えますよふっふふでも私は青い鳥文庫版のイラストも大好きなので二度美味しいのですありがとうございますおっと脱線した。
新テニはファンブックがあればとりあえずいいかなと思い、割と簡単に手放せたのですが、黒執事は引っ越してからも半年くらい悩みまくったのですよね。ただ、サーカスの回とかカレーの回とかクラケットの回とかでいうところの「アイドルの回」でシエルの重大な秘密が判明して、それはまあいいんだけれども、そこのほら、回想シーン、あれで私の苦手とするところの展開が示唆されたので、うーんこれは自室に置いておくべきものではないかなと感じ、そこで一度、気持ちが離れてしまいました。あれのインパクトが強すぎるせいで私は黒い蝶を見るとびくっとしてしまいます。
黒執事のあとがきを読むのが大好きだったのですが、印象的だったのが担当編集者様の方と作者様のやり取り。サーカスの回におけるケルヴィン男爵の掘り下げ過程があまりにも情熱的で、なるほど創作上の人物にはこうやって魂が宿っていくのかと感動したことを覚えています。
個人的に受け付けられない描写があったため、以前のように熱いファンではいられなくなってしまったのですが、今でもあの世界の人物たちは大好きです。マダム・レッド、アーサー先生、リジー、ジョーカー、葬儀屋……。死んでしまった人もいますが、せめてあの悪意はびこる黒い世界で、生き残った彼等が少しでもあたたかい未来を勝ち取れるよう祈っています。まあ最後は幸も不幸も悪魔が綺麗さっぱり飲み込んで無に帰してくださるのみであるはずだからこんな幸いへの祈りなんざまったくもって無意味なんですけれどもね!
……いや改めて思うけれど、セバスチャンとかいう化物の正体にまで辿り着いてそれでも尚「一般人」として壮年まで生き抜いているアーサーとかいう物書きさん、やっぱり凄すぎるんだよなあ。