そんな馬鹿な。唯一遊んだ乙女ゲームでいっちばん好きな人だったのにこんなことがあってええんか。なんてこった。というか知らない人が多くておったまげた。特にそこの金髪! 誰だお前! なんで作者様がアリスの世界にいらっしゃるんだ! しかもその声……ルイス=キャロルは日本号であり社長であった……? もう訳が分からん。双子のディーとダムは大人になっとるし……どういうことだ説明しろ苗木!
そんでユリウスとペーターがいない……ユリウスはまあ分からなくもないけれど、ペーターがいないって致命的なのではないかな。それとも彼がいないという事実自体が物語の鍵になるのかな。
ペーターなあ……彼との遣り取りが忘れられないんだよなあ。
「そいつだけじゃない。皆、殺します」「分かっているんでしょう? 知っていますよね?」「死へは、僕等が向かわせるんですよ」
「貴方に代わる人なんていないわ」
「おかしいですね、この料理、味がするんですよ」「貴方が美味しいと言ったから食べに来ているんです。料理に味なんてしません」
(この人は私がいなければ味覚も持てないんだ)(私がいなければ……)(特別になるということ、その重み)
今思い返してもかなりぐっと来るものがある。乙女ゲームだからアリスは誰しもに愛されて然るべきなのだけれど、此処まで「魂を捧げます」ってくらいに想ってくれたのはペーターだけだったような気が……違うかな……ただの思い出補正かな……。