全てまとめると4万字ありました。なんだ、大して書いてないな。鎧の孤島開始から3週間で10万5千字書いていたことを考えると……ほんと、のんびりやってきたんだなあ今回の1日1セイボリーは、と思わざるを得ませんね。
ただ今回は「沢山書く」ではなく「毎日書く」「700文字で書く」を目的とした執筆だったので、この1か月間、あのSS文庫メーカーにすっぽり収まる形で概ね書き上げることができたのは……うん、私個人としてはこの上ない自信になったかなと思います。出来はともかく。……出来はともかく!
タイトルにも副題にも、そして最終話「旅支度」のラストにも「夢物語」と強調したのは、そもそも「セイボリーとユウリが一緒にいられること自体が夢のようなもの」だと私が認識しているからです。
私は当初、ユウリを「ソードの世界線で旅をする主人公」として想定していたのですが、この6月にいきなり現れたセイボリーとかいうとんでもない人物によって、彼女の世界線が、ソードからシールドにぶっ飛んだことになってしまっているのですよね。彼女がセイボリーに惹かれた理由はどの物語においても統一して「一目惚れ」「信仰」であると設定しているのは、そこに「引力」のようなものを見たかったからです。セイボリーの存在が彼女の生きる世界線さえ変えた、彼の引力は生きる世界さえ踏み越えさせるものだった……と見ると、とても面白くなりました。私が!
ただ、どう足掻いても彼を「兄弟子」として慕うことができるのはシールドの世界線のみ。ソードで彼を兄弟子と慕う方法は今のところありません。そもそもDLCを購入しなければヨロイ島という場所への門扉さえ開かれない訳で……。島での修行、兄弟子たる彼との時間、その全てはもしかしたら、あってもなくても変わらない、夢のようなものであるのかもしれないなあと、少し考えてしまいました。実際、セイボリーがいてもいなくても、本編における主人公たちの「敷かれたレール」が揺らぐことはありませんでしたからね。
/600も、700音も、そういう意味ではどちらも空虚で、無益で無駄なつまらないもの。チャンピオンになった彼女が見た、些末な、ありふれた夢物語。でも彼女は全力で夢を見ていました。どうか覚めてくれるなと祈りながら見ていました。そんな彼女の「夢の終わり」を、物語を二つ使ってまで書き上げられたこと、本当に喜ばしく思います。いつか覚めてしまうものであったとしても、それでもセイボリーとのパラレルワールド、彼との幸せな夢は彼女にとって最善であり最愛でした。かけがえのない救いでした。
もし三つ目の連載「それゆけ丹色のシュガーベア」を完結させられるようなことがあれば……「君のいるこの世界こそが現実だ」と、全力で夢を蹴っ飛ばしてやってほしいですね。そういう話にできればいいなと思っています。
あ、そうなんですよ。シュガーベアもセイボリーがいる世界線、盾の世界線、夢の世界線です。現実ではない世界線です。だからあいつらがいるんですよね。