セイボリーは「対抗心」から始まるけれどビートのそれはそんな可愛らしいもんじゃない

 おはようございます。さむい。

 ビートがユウリに対して抱く「屈辱」ってゲーチスさんがシアに対して抱いていたそれに若干似ている気がする……そっかだからメインを彼で書こうとしているんだな私は……。
 排斥されることに怯えて「懐柔」ではなく「攻撃」の手段を取った彼が、競い合う者全て蹴落として来ようとしていた彼が、実際にホップのことはけちょんけちょんにしていった彼が、でも唯一蹴落とせなかった相手がユウリで、ならば委員長の役に立つことで一歩先に行こうとして遺跡破壊までやらかして、でも結局見限られてしまって……。
 ジムバッジ4個目取得後からアラベスクタウンに行くまでの道は本当に、原作やっていた時もかなり辛かった。おそらくメインルートでのユウリは5個目のジムバッジ取得よりもビートのことを優先して追いかけてしまうと思うのですがその行為が彼にとっては一番効く。傷口にえげつなく塩を送り込んでいくタイプのあれだ。「どうして貴方なんですか!」って言われてしまっても仕方のない状況だ。

「此処まで落ちぶれた僕を追いかけてきてくれるのが、どうして委員長でもオリーブさんでもなく、よりにもよって、僕のことをめちゃくちゃにしていった貴方なんです!」

 もしここで仮に「君の気が済むなら」って/600の如く骨を差し出そうとしようものならビートはその慧眼で悉くユウリの狡さを見抜いてくる。もうどっちが傷を付けているのか分からなくなってきたなこの二人。

「うるさい! うるさい! 貴方、気持ち悪いんですよ! 特にその顔! 自分が今どんな顔をしているか分かっていますか? 気持ち悪い! あなた、骨なんて大事なものを差し出すときの顔をしていないんですよ! 貴方にとってその腕は、そこいらに転がっているゴミと大差ないんだ。だからそんなお綺麗な顔で差し出せるんでしょう。そんな下らないものを、貴方にとって何の価値もないものを貰ったところで、僕の何がどう救われるというんですか!」

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