あれっ……(乙女解剖)

 乙女解剖ってもしかして破廉恥な曲なんですか!?

 い、いや、いや待て待て違う。待って違うんです聞いてください。だってサビのところとかPVにも「骨」の描写があるじゃん! サビの歌詞にも曲名にも「解剖」ってあるじゃん! だから女の子の無垢な心と体をガチで解剖していく話かと思ったんだよ! エネコの溺死をサビの歌詞に重ねていたんだよ! ほらぁこうすると紛れもなくCrasy Cold Caseだからほらぁ!
 え、……え? 待ってくれ……え?

・いきたくない → 死にたくない、って意味かと
・痛いくらいがいいんだって知った → 溺れる時の呼吸の息苦しさと私は勝手に重ねていた、もしくは首を絞めていると考えていた
・涎をバケットの上に塗って → ガチの解剖、もしくは死の描写じゃないんですか!?
・期待外れ最高潮だった → 死ぬってそんないいものじゃなかったと「涎を垂らす程に身体的に追い詰められてようやく知る」みたいな感じかと
・乙女解剖であそぼうよ → 今日も一緒に息を止め合って死ぬギリギリのところで漂おう、だと解釈していた

 全体を通してその、あれよ、死というものに恍惚としている女の子、でもいざその苦しさとか痛みとかに直面すると引け腰になっちゃうタイプの女の子の話かと思ったんや。「ねえ愛して」 → 「どうか殺して」やと思ったんや。だからCrasy Cold Caseのイメージで、エネコに焦がれるユウリのイメージで、聞いていたのだけれども……。
 ああでも改めて歌詞を見ると違うな明らかに、これ破廉恥ですね間違いない。わざわざ「ヌ」って片仮名になっているのも、「いきたくない」も、時間帯が「あの夜」なのも、そういうことだったんですねなるほどぉ!
 なんてこった、破廉恥極まれり……。えっマジか。ちょっともう一回聞いて来よう。意味が全然変わってくるぞわぁいこいつは忙しくなってきやがった!

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