3/26、霙さん

こんにちは、霙さん。ご訪問ありがとうございます。こちらでお会いするのは確かにお久しぶりですね。お言葉を残してくださり嬉しく思います。
先日はお電話の機会も頂けて、とても楽しい時間を過ごせましたね。オーロンゲほんますごかったわぁ……。

世界一高いビルをジャンプできるPD861型とかもう夢が膨らみ過ぎていますがどうすればいいのでしょう、流石霙さん、オーロンゲに詳しくいらっしゃる!
ネズさんとオーロンゲのラブコメ(!?)の続きもいつか書きたいですね。読み返してくださっているとのこと、ありがとうございます。

短編「炭と菫」は私もお気に入りの1本だったため、言及してくださったことに小躍りしてしまいました。
ガラルをベースにしたお話はこれまで何本か書いてきましたが、一番書いていて楽しかったのがこれだったのですよね。
【イキイキしているように感じられて】というお言葉に「よっしゃ」とガッツポーズをしております。
ユウリとビートはこう、コトネとシルバーの仲良しコンビでも、トウコとNの支え合い片割れコンビでもない、
憎まれ口を叩き合いながらのバディを彷彿とさせる関係になっていってほしいなあという気持ちがありました。
このような言葉の応酬を行うと、どうしても一言一言の質量が削られてしまうので(魂が抜ける、とでも言いましょうか)、
私のスタイルでこの関係を描写するのは困難かなとも思ったのですが、いざ挑戦してみるとかなり楽しく書きあげられたので、今後も積極的に続けていきたいですね。

SWSHのカレー作り、私はあまり味については考慮せず、木の実をいっぱい入れればとりあえず美味しくなるだろう、などというユウリに近い発想をしております。
でも「ドガース級」になるのは大抵の場合、具材が足りない状態だったりするので、原作のシステムに則れば「いっぱい入れれば失敗しない」のです。やったぜ!

!?
あ、あわわわネズさんの家にユウリが通うこの構図はアクロマさんとシアのあれに似通っているというご指摘あわわ!
「Cold Case」にも目を通してくださったのですね、ありがとうございます。
彼女の「歪み」は少し歪で(歪でない歪みは最早歪みではないのですが)、実力、思考力、矜持など、並の大人でも持ちえない強靭なものを併せ持っているにもかかわらず、
とても簡単なこと、……カレーの具を選んだり服を選んだり好きな紅茶を選んだりといったことに途方もない困難を覚えています。
私はこれを「選択不能性」と今後は表現したいと考えていますが、この選択不能性は彼女の有能さと切っても切れない関係にあります。
彼女自身が「嗜好性」をあまりにも大きく欠いているが故に、どのような運命にも、逆境にも、期待にも、順応しようと純粋に力を奮えるようになっています。

現在の流れでは、ユウリ自身はそれを彼女の「欠落」だとして恥じていますが、私はネズさんに、それは欠落ではないのだと言っていただきたいなと考えています。
むしろその欠落、は、彼女がガラルの英雄として君臨するにあたって外せない要素であり、また彼女が彼女であるための愛嬌なのだと、
そうした真理を突き止めて、許すという役割を彼に担ってほしいという考えで、書いているところでありました。

ネズさんはユウリの選択不能性をそのままにしておくことで、ガラルの英雄としての立場を揺らがぬものとし、その選択不能性については自身が受け入れ支えるという立場を取ります。
機械的な従順性と有能性を貫きつつ、それにより抱え続けることになる不安定さをユウリはネズさんにだけ開示できる、といった状態になる訳ですね。
しかしビートが相手の場合、彼はユウリの選択不能性を変える存在となります。
ユウリが「選べる」存在になることで生じる迷い、それにより失うことになる力の全て、英雄性の方を、ビートは己の全てを尽くして補完しようとするでしょう。
より人間的に変われることにはなりますが、ガラルの民が期待する彼女の像は崩れ去ってしまいます。安定はしますが、失うものも多い。
どちらが「彼女の物語」として相応しいか、まだ決めかねています。XYのように分岐式にしても面白いかなとも思っていますが、うーん……どうしようかな。

ユウリはその歪みの特殊性もさることながら、その語り口から霙さんも書かれていた【威圧されているような感覚】についても懸念がありました。
一人称は歴代主人公のルールに則った「私」でこそありますが、口調や思想などは男勝りで、自身に満ち満ちており、あまり共感を誘う人となりではありません。
だからこそ、その、ともすれば完璧とも取れる装甲が割れた瞬間のインパクト、そこから零れる危うい人間性はとても痛々しく映るはずです。
その痛々しい個性を受け止めてくれる人物が、あの夢と冒険とポケットモンスターの世界には必ずいる。そう信じて、ユウリの人格を設定しました。
【かっこいい】と言ってくださることはユウリにとって至上の喜びであり絶対的な安心だと思います。ありがとうございます。
彼女はもしかしたら、これから「かっこよくなくなる」かもしれませんが、そんな彼女の歪な矜持を、今後ものんびりと見守っていただければ嬉しく思います。

久しぶりにこちらでお話できてとても楽しかったです。
4月からいよいよ新生活ですね。新しい場所での素敵な日々の話もまた聞かせてください。
ポケモン仲間もきっと沢山出来ることでしょう。オーロンゲの布教、応援しております!

では、ありがとうございました。またお話、しましょうね。

© 2025 雨袱紗