7月くらいに某所で練っていたユウリの台詞

「何? 私が強いだって? あはは、そう見えているのなら幸いだ!
貴殿には打ち明けておいてもいいだろう。私は強さとは無縁のところにいる人間なんだよ。怖がりで、寂しがりで、何より打たれ弱い。
けれどもそうした弱みを外に明かして何になるというんだい? 泣けば誰かがハンカチを差し出してくれるのかい? 手を伸ばせば誰かが大きな力を授けてくれるのかい?
ああそうだろうとも、きっとそうしてくれるのだろうね。この世界は妙に優しいところがあるから。
けれどもそれじゃあ「私」は救われない。私はそんな一瞬の凌ぎが欲しいわけじゃない。結局のところ、私の救い方は私自身で見つけていくしかないんだ。
このみっともない孤独な足掻きに私はもっともらしく「哲学」なんて名前を付けて、得意気に胸を張っている、という訳なのさ。

……だから、私はたまに貴殿を妬んでしまいそうになるよ。
自らの弱さや脆さを赤裸々に明かしておきながら、それでも自身の中に揺らがないものを持っている貴殿のことが、どうしようもなく羨ましくなるときがあるんだ」

「貴殿」は当時シェリーを想定して書いていたのですが、泣き虫なメッソンに語り掛けているシーンでもいいような気がしてきました。

© 2025 雨袱紗