代名詞の組み合わせ

「なまりとあかゆり」という語呂はとても気に入っています。鉛と赤百合でも、なまりとあかゆりでも、どっちでもいい。
最後が「り」で音被りもあるし、どんよりした重たい金属と凛とした可憐な花とかいう対比も好きだし、それが少女と男に当て嵌められているという構図もなかなかいい。
鉛が少女で赤百合が男だっていうんだから驚きだぜ……だがそれがいいそこがいい。シェリーが花であるように見せかけておいて実は花はダリの方だったのだ。

「海と太陽」はそれ自体で一つの風景が出来上がっていて「海と太陽」とするだけで時間帯や場所や色や温度とかいう世界の要素が大体決定するからとても便利です。
太陽は海から昇り、海は太陽を待ち太陽を見送る。太陽が動き、海は其処に在るだけ。
でも実際に待っているのはいつだって太陽の方で、実際に走り続けているのは海の方。動的な海と静的な太陽。この真逆の様相を呈している感じがとても気に入っています。

「小石と白波」についても書いておこうか。「こいしとしらなみ」とするとにわかに可愛くなるのでその点に関しては満点ですね(?)
波に転がされた小石はどんどん小さくなりますが、この白波に転がされようともこの小石は削られることなくむしろどんどん大きくなっていっているような気さえします。
そういう皮肉も含めてマーキュリーロードだなというか、この二人だなという感じがするのでまあいいんじゃないかなと思います。
小石は嬉々として白波に飛び込むけれど「削れない」し、白波もぶっ壊したくて小石に手を伸べるけれど結局「抱き込んで」しまう。ほらぁこの皮肉ほらぁ。

「琥珀と紅月」あるいは「ジョウトの連理」についてはもうそのまま目の色と在り方の問題だから特筆すべきことはないし、
「白黒英雄」あるいは「イッシュの比翼」についてもそのままだからまあいいかなと思う。
書くことがあるとするならば何故コトネとシルバーに「連理」でトウコとNに「比翼」を当て嵌めたのかという点ですが、うん、きっと私の趣味だったんじゃないかな?
……ああそうだそうだ、比翼ってのは想像上の鳥のことで「生まれつき目と翼が1枚ずつしかない」らしいのですよ。
だから生まれたときから二人で一つの形を取ることが運命付けられているという点において、これは英雄組だろうなあと思ったのだと、思う……よ?

「一等星と宵闇」についてはまだ特に考えている訳ではないのですがお空関係でまとまっているしええ感じやと思いますよフフフラダリ
あとトキ嬢とダイゴさんについては代名詞をまだ考え付いていません。トキ嬢を「二十面相」とした時代もありましたがなんだか長ったらしいので変えたいね。

「空夫婦」はもうそのまま、空夫婦のことです。ですがこの単語自体があの二人の存在の「邂逅の罪」を示しているという点において最も業の深い代名詞かもしれない。
アポロさんのビジュアルは「金銀クリスタル」時代からありましたが、彼に「空色」という綺麗な綺麗な色が付いたのはそれから10年後のHGSS時代のことです。
一方のクリスさんは「クリスタル」時代にのみ登場し、HGSSにはその存在がありません。本来、彼女はアポロさんとの「同じ色」を、喜ぶことのできない人物です。
でも、来てしまった。それでも、青の共有が為されてしまった。「空夫婦」はそうした、存在の不実性を孕んだ代名詞です。

探偵かぶれの哲学少女は順当に考えれば「探偵」とすべきなのかもしれないけれどそんな単純な代名詞を果たして私が許すだろうか。
否。

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