親になって初めて、サトシのママの催眠が解けるタイミングに合点がいくようになった(結晶塔の帝王)

 それまでも「なんかいいなあ」「美しい親子愛だなあ」「印象深いなあ」「サトシ愛されてるなあ」とは思ってきたけれど、今改めてあのシーンを思い出すと本当に胸が痛くなる。子どもが足を踏み外したときのヒヤッとする感じ、手を伸ばさなければと焦るあの感じ、一瞬にして訪れる心臓の「寒さ」を、あなたに出会わなければ本当の意味で知ることのできないままだったのだろう。

 あれは「美しい親子愛」があったからでも「温かい家族」だったからでもなく、ただ当然のことだったらしい。親という生物である以上、当然の、本能に近い正気の戻り方でしかなかったらしい。
 だからこそ、子どもと一緒に映画館へ来た大人の心をも掴むに至ったのだろう。「そりゃそうだ」と頷かせるに至る強さがあったのだろう。あの「当然」への共感は、やっぱり子供のままでは難しすぎる。

 あとサトシが向こう見ずだからとかそういうワケじゃなく、子供は総じて危険なことが大好きね。
 いやほんと勘弁して

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