何に代えても守らなきゃいけない

 常日頃からそう思っているはずなんだけど、イライラが限界突破すると、もう知らん体力使い果たして眠くなるまで泣き続ければいいんだとか、考えてしまうからよくない。毎回泣き続ける歯磨きをなだめるのにも限界がきている。笑顔で接し続けるにも限界がある。その限界突破が2週間に1回とかじゃなくて2日に1回くらいの頻度で来ているからとてもよくない。
 昼から夕方までは実家に居させてもらっているし、早朝に泣きわめいても食事中にぎゃあぎゃあ泣いてもお父さんは文句の一つも言わないし、余所のご家庭よりかなり恵まれた生活をしているはずなのにこの参りようは本当に情けなくて泣きそうになる。でも余所様の子供がこんなに癇癪じみてないこともよく知ってる。児童館でも相談センターでも病院でもぎゃあぎゃあ言ってるのは我が子くらいのもので苦しい。気質、個性というポジティブな言葉で片付けるのにも限界が来ている。何かある度に発達障害の文字がチラつく。

 教えてくれクリスさん。あなたどうやってこんな命を育ててきたんだ。1歳過ぎてバイバイもしない、簡単な言葉も理解しない、歩かない、食べ物は全部噛まずに丸のみ、そのくせ足りないとご飯の度に喚き散らす、そんなことがあっても「あらあら」で機嫌よく笑い続けていたのか。朝3時半に起こされ顔を蹴られ目を突かれ、ちょっとトイレに席外しただけで泣きながら追いかけてきて抱っこをせがんで、膝に乗せたまま用を足さなきゃいけないような日々でも「いいの、だって私はもう一人で十分生きたから」と思えたのか。
 いや思えたんだよな。そうだよなそりゃそうだ。それこそが「理想の母」と思って書いたんだから。私が、書いたんだから。

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