「泥梨監督生」と呼称していただけるのめちゃうれしいな

 人格の尖りで見るなら泥梨監督生か、もしくは砂鱗監督生が目も当てられない程のどうしようもない感じだとは思うのですが、そこそこ人当たりの良い様を貫きながらも最後にはグリムにさえ挨拶しないままこの世界を去ったまほろばちゃんもだいぶ歪んでいますね。ある種「いやな子として完成されている」とも言えます。
 こうなるならまだ最後、全員にちゃんと挨拶をして礼儀を示した泥梨監督生の方が筋が通っているというもの。同じ「いやな子」でもこっちの方が気持ちがいい。砂鱗の方もその辺はきちんとするだろう。まほろばちゃんは無害なようでいて、でもちょっと卑怯だったね。

 アズールの犠牲者とジャミルくんの建国者(この形容は多分正しくない)にはそれぞれ「捨てる驕り」と「創る驕り」がある。特に建国者の方は……もう書く予定もないので此処に落としていきますが中盤までは本当に彼の駒に徹するつもりで、彼を凌ぐつもりなどこれっぽっちもなかったんですよね。ただ中盤でジャミルくんが彼女に「後光」を見てしまったから、彼女を「神のようだ」としてしまったから、そして彼女の持つ魔法の性質上それが分かってしまったから、そうなる決意をしただけのことでした。何でも協力するしいつでも君に従うと言い続けた彼女は、あくまでジャミルくんの意思に沿う形で神へと成り代わった。神が、人であるジャミルくんに劣るわけにはいきませんからね。

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