ああ本当に夢は終わったんだな(冠の雪原ネタバレあり)

(致命的なネタバレ単語は伏せています)

「ねえ、私が君のところへ帰ることを許していてね。私と喧嘩をしても、私に嫌気が差しても、私を軽蔑しても、私なんかいなくたって生きていかれるようになったとしても、それでも君は、君だけは私におかえりと言って。ずっとそうしていて。いい?」(700音に終わる夢・旅支度より)

 おそらく冠の雪原後のセイボリーは「ユウリがいなくても生きていかれる」ようになっている。そして同時に「変わりゆく立場の人間」から「変わらないところで場所を守り続ける人間」になったことにより、本当の意味でセイボリーは「おかえり」を言う側になっている。
 以下は妄想に過ぎないけれど、セイボリーが××××××でなくなるよりもユウリがチャンピオンでなくなる方がきっとずっと早い。玉座を守り続ける立場をきっとユウリは簡単に捨てられる。だからやっぱりユウリは「ただいま」の側だったんだ。一つどころに留まらない生き方はユウリにこそ相応しくて、セイボリーはようやく在るべき場所に戻って来ただけの話で、ユウリはただちょっとばかし、あの黄色い花の咲く水辺で背中を押しただけのことで、そうした二人を「恋人」と装飾するのはやはりちょっとだけ不釣り合い。「おかえり」「ただいま」を交わし合うだけの関係であるくらいが丁度いい。二人にはそちらの方がよく似合っている気がする。そしてその「おかえり」と「ただいま」を愛し続けた結果、恋人なんて浮ついた単語を一足飛びにするくらい強烈なものを結べたなら、そうした夢の終わりであったなら、いいのになあ。

 誰よりも魂の清い彼がこの夢を最高の幕引きで終えられたこと、とても嬉しく思います。彼はきっとユウリなんかいなくたってこうなれた。でもそんな彼の清い歩みに彼女の存在があったという事実が、「ユウリ」を操作し彼に関わり続けたプレイヤーの身には本当に、過ぎた幸福でした。幸せでした。ありがとうございました。

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