ただいま

 不条理すぎて屋外に出た途端声出して笑いました。セイボリーだったら眼鏡曇るところや。

 私は悪くない! 私のせいじゃない!
 能力を欠いているのも協力しないのも私じゃない。だのにどうして薬漬けにされるのは私の方なんだ! これじゃ生贄だ! 私はどこも悪くない。いい加減にしろ。吐き気も頭痛も手足の麻痺もうんざりなんだよ。

 などと、心底思ってしまったんですよね。マスクの下で舌打ちさえしそうになったんですよね。本当に心が汚れている。最低、最低! セイボリーを見習え、彼のように生きてみたいのだろう。やってみせろよこの弱虫が! 1週間前のごっつ長いドン引き決意表明を思い出せ。あの気概だ、忘れるな、忘れるなよ私。彼の魂の清さと勇気の10分の1でもいいから手にしてみろ。頑張れ。お守りもそこにあるじゃろう。よし確認したな? よし、よし、元気出た!

 HAHAHAなんにも問題ないです! 楽しいことを考えようそうしよう。セイボリー主催の「虫唾のランニングパーティ」のこととかな!

「自制? ……フッ、あはは、自制! 自制ですって? こんなにも分かりやすい相手に対して期待もできない自制なんて! あなたって本当に厄介極まりない!」
「そんな役に立たない自制なら、クタクタに煮込んでヤドンのサパーにでもして差し上げれば如何か! あなたの自制も警戒も慎重さも! ことワタクシに関してはいつだってとんだ的外れなんですよ!」

 よしよし、セイボリーらしくなってきたぞええ感じや。などと自賛することにより正気を保っており(略)

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