彼がジョーカーになってしまうと、このシリーズの大前提がだな……勢いよく崩れてしまいやしないか。
だってこれ、このシリーズは「セイボリーを支える」ものとして書き始めたのであって、ユウリはその「支援者」に徹していたのであって。そんなものとんだ「的外れ」と言われても尚、彼女は彼の傍に在り続けたんだ。全力で向き合うために、石を撃ち落とすために、彼に笑ってもらうために。でもその相手であるセイボリーがジョーカーであるなら、そうであったのなら、なあ。
その「切り札」に支えられていたのは、他ならぬユウリの側であったことにならないか。
えっ、ちょ、やばいぞ、たった一つの単語で全部がひっくり返った。これがジョーカーか。
これがセイボリーの神髄か。