うそやろお前、7700文字を1日で書くのにたった10文字程度のタイトルを3時間かけても思い付かんのか

 10本以上書いてきた話の中で、セイボリーが最も多く浮かせたり動かしたりしたものは間違いなく「水」です。これは確実に入れたい。
 水、花、時計、1分、永遠に、針、相対性理論? 約束、月筏、信仰、光、揃い、同化? 大人、子供、不適正……ああもう分からん!

 あのね、いい単語ないかなって思って類語実用辞典を引いてみたりもしたんですよ。でも駄目だった! 3分で閉じてしまった! 何かの表現に使うとかならまだしもタイトルは駄目だ、辞書から引っ張って来た使い慣れていない言葉を「なんかかっこいいから」で使ってしまうと愛着に欠けるだろうが!
 簡単な単語でもいいんだ、でもそこにちゃんとした意味が欲しいんだ。そういうのにしたいんだ。「上に落ちる水」とかでいいんだ。そういうの何かないか。

 この物語におけるユウリとセイボリーの「水」って何なんだ。いやそんなのは分かりきっている散々書いてきただろうが。流体で、透明で、認知に欠ける、それ自体では実にありふれたつまらないもの。色を持たないが故にテレキネシスの指揮をひとたび受ければ、それは綺麗な淡い水色に染まりゆく素晴らしいもの。海にだって武器にだって花にだってなれるもの。可変性。何にでもなれる。彼の指先がそれを可能にしている。彼の指揮があれば何にだって。だからこそ彼女はそれを羨ましいと思ったんだ。彼に浮かせてもらえるもの全てユウリにとっては羨望の対象だけれど、とりわけ水をどうにかしている時が一番、ユウリにとっては堪えるんだ。ユウリは「それになりたかった」「それに染まりたかった」「一目惚れだった」。だからこそあの夜が始まった。えっとつまりどういうことだ。水は媒体であると同時にその(強制終了)

 ……もうちょい考えます。あかんわもうこれほんま分からんな!

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