とんだ驕りだった。私はまだその器じゃなかった。
……いや、つい30分前に読了したばかりで、つい先程、溢れんばかりの激情をキーを壊さんとする勢いで打ち込みまくったばかりで、こんなものを読書感想文とするわけにはいかないからもう少し整理するつもりなのだけれど。
でも、私の望んだものは手に入らなかった。ひどくくやしい。ひどくざんねんだ。それはでも、この小説のせいじゃない。愛にどうしても「命」を必要とする、私の、強欲な認識のせいだ。
嫌だなあ、諦めたくないなあ。何処か読み落としていないか? 致命的な誤解をしていたりはしないか? もっと、もっと綺麗なものが隠れているんじゃないか? 貴方に「一番」とまで言わしめた、最上のものが。
何処にあるんだろう。