パキラさんとシェリー、ルザミーネさんとミヅキ、みたいな固い繋がりをオリーヴさんとユウリに見出すことはひどく困難であるが故に、
一歩引いたところから互いを評価し合えるような、ある意味大人びた美しい友情を築けそうだなあとも考えたりしています。
パキラさんは文字通りシェリーの「何にだってなる」ことができるし、ルザミーネさんはミヅキを本気で娘のように愛していたけれど、
そうした情をユウリに抱くオリーヴさんってのは、有り体に言えば「なんかちがう」気がするんですよね。
でも、じゃあどのような形が二人にとっての理想なのかってのはまだ全然分からない。
というかユウリは「こうしたい」「こうなりたい」とかそういうことを思考できる人間じゃないからオリーヴさんが導く必要があるけれど、
オリーヴさんもローズさんに従う側の立場だからそんな上手なこと、したがらないと思うんですよね。
互いは互いのことを憎からず思っているはずですが、互いのそうした性質上の齟齬により二人は友人以上に歩み寄ることはないのでは、と、現時点では考えています。
それこそ「恋」とかいう大それたものがなければ在り得ないでしょう。そしてこの二人に「恋」なんてのは致命的に、ええ、似合わない!
パキラさんとシェリーは「恋」でなくとも歩み寄る理由が互いにあったから、ああなったんです。最初から「恋」をしていたなんて、そんなはずがない。
ただこの理屈は女性同士の物語にのみ当てはまることではないような気がします、あくまで私の場合ですが。
男性と女性の場合でもいきなりひとめぼれ的なやつから始まり、デートや食事といった優しい時間のみで愛を深めていく様というのをどうしても想定できないんですよね。
唯一「紅色ブーケ」とかいうのでダイゴさんが出会ったその日に16歳の女の子へ惚れ込んだ稀有な事例を書いたような気が……あれはやっぱり変だったよね。