えっあっわわ(ラプンツェルネタバレ注意)

いやあの私、今夜、テレワークの仕上げをしてて、9時6分くらいから見始めたんですよね。最初のあたり見てなくて、ラプンツェルが歌い始めたあたりからテレビの前に来たんですよね。
だからあのお母様、本当にラプンツェルのことを愛してるんだって思ってたんです。
だってあんなに歌上手いんだもの!  あんなに!  あんなに綺麗な声で!  貴方を守るって言ってるんだもの!  あんなに優しく抱きしめていたんだもの!
でも違った。花の力を引き継いだラプンツェルによって、自らの若さと美貌を保つのが目的だったんだ。そのために造られた愛だったんだ。
それを先生から聞いた時の私のショックがわかるか。それを知らずに、ただの親離れの物語として1時間20分くらい観ていた私の驚愕が分かるか。
あの盗賊二人組から「永遠の若さを与える魔法の髪」と言う言葉を聞いて、「えっあっわわそんなまさか、お母様!?」となった私に
「あ、そういえば××は最初のところ見てなかったね」って、冒頭のくだりとお母様の真の目的を解説されてしまった私の!  絶望が!
あんまりだ、あんまりだ。でもお母様が日に溶けて灰になって朝もやとともに消えていく様は美しかったからまあ何も問題ないかな、うん。

ラプンツェル、確かにこれはすごい話ですわ。綺麗な話だ。ええ話だ。綺麗で、素晴らしかった。
でもお母様ぁ……。辛い……。私は信じていたよ、10時25分くらいまでマジで信じていた、貴方のそれは愛情なんだと信じていたよ。
でも違ったんだね。見返りを求めるタイプのやつだったんだね。それはね、愛じゃないんだよ。
私の敬愛する文学生様の言葉をお借りするなら、それは【欲由来の感情であるにもかかわらず、愛だと思い込むこと】によって生まれてしまった、生温かいだけの何かなんだよ。
愛を道具として使った段階でそれはもう愛とは違うもっとおぞましく悲しい何かなんだよ。
ああそんなものを、開始1時間25分まで愛だと信じて物語を追っていた私が!  非常に!  恥ずかしい!

© 2025 雨袱紗