HSP?

今年度から家族の休日が、火曜日から土曜日にシフトしたため、一緒に見ることのできるテレビ番組が大きく変わりました。
それ故に今夜は「世界一受けたい授業」を途中まで見ていたのですが……。

うーんこのHSPという概念なんだか釈然としない。これらの例にあるのってそんなに、そんなにおかしなこと?
大勢での会食で空気を読んで適切に動くのが苦手なのも、頼まれ事を社内の人にされると断りにくいと感じるのも、
大きな溜め息を聞くとえっ自分何かしたかなって不安になるのも、デリカシーに欠ける言動を受けて傷付いてしまうのも、
それらのストレスを受けて眠れなくなったり体に不調をきたしたりすることだって、そんなの、HSPと銘打たれずとも誰にだって当て嵌まることではないのかな。
それをこうして大々的に紹介されてしまうと、共感することや繊細で在ることがただただ疲れることみたいに思われてきて……辛いな。

ただ、自己形成の過程において不安に駆られているローティーンの少年少女たちが、
「あっ、こういう風に思ってしまうのは私だけじゃないんだ」「よかった、こういう場で不安を抱くのは別におかしなことではないのか」と気付く機会を提供できるという意味でなら、
この、人の注目を集めがちなHSPとかいう略称で「繊細な気質」を大きく形容するのには確かな意義がある……かもしれない。

鈍感であることも繊細であることも素敵な個性だよ。その個性が故に被ることになる害とかマイナス感情というものとの折り合いは、個々人で付けていくしかないんだ。
その「折り合いの付け方」の手助けとして、このHSPという概念が正しく機能してくれることを祈ります。

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