「生きる」という機能(DBH)

ルーサーがね、カーラに終盤で
「お互いに、相手の望む存在になったんだ。それが生きるってことなのかもな」
って言うんですよね。
「相手の望む存在になる」ことが「生きるってことなのかも」っていうこれ、コナー編の橋会話を思い出すと急速に救われた気分になるんです。

「貴方が望むものになりますよ。パートナーでも、飲み仲間でも、ただ任務を遂行するだけの機械でも」

これさ……コナーには最先端のソーシャルモジュールとして「相手の理想的なパートナーとなる」機能が付いているんですよね。
だからこの「貴方が望むものになりますよ」は、パキラさんがアクアティカの羽衣で口にした「貴方の何にだってなってあげる」みたいな感じじゃなくて、
コナーの中ではあくまでも、自らに備わった機能の説明に過ぎなかったはずなんです、この段階では。

でもその機能に「情」が伴っただけで、それは機械の動作ではなく「生きること」へと化けてしまう。
つまり彼には、無機質な道具として活躍するはずだった彼には、最初から「生きる」という可能性が、機械として致命的な可能性が、秘められていたということになるんです。

はい、うれしい。

「致命的な可能性」とか「いっそ致命的な秘密」とか、何かと「すごすぎる」ものについて「致命的」と形容しがちなのでそろそろ修正を加えていきたいなとおもう

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