肝が冷えた

坂を下って細道に入って角を曲がった瞬間、空気が変わりました。何かが違う、というのが一目で分かりました。
残念ながら「此処」はそういうものが未だに存在する場所なので、すぐに合点がいきましたが、
ご存知ない方にとっては異界の門でもくぐったのかと見紛う程の変わりように見えたのでは……などと考えてしまいました。

人ってとてもおどろおどろしいので、そのおぞましさを知っていく度に、それらをまだ知らない主人公達のような年齢の子供達を描写することが難しくなっていきます。
もう今の私に片翼やサイコロの時のようなシアは書けそうにない。

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