アクロマさんのパーソナル領域は意外にも狭い

彼自身がこう……興奮すると相手にぐいっと顔を近づけて話すタイプの人間っぽいので、他者に距離を詰められることには特に抵抗ないのではと思っています。
ただ、あの土星の輪っかありますよね、そうあの青いヤツです。あの内側に指なり手のひらなり吐息なりが入ってくるとにわかに青ざめてしまわれるかもしれないですよね。
あの青いヤツが彼の領域と彼以外の領域とを分ける境界線なのでは? あの内側だけを彼は彼自身の聖域としているのでは?
どんなに傷付けられても裏切られても貶められてもこの内側にはだれも招かないから大丈夫、などと分厚い装甲を堂々と纏った結果があの土星なのでは?
なんて考えてしまったそんな今日、ちょっといつも以上に頭がおかしいですね申し訳ない!

フラダリさんは全方位全距離に対して自信があるので肌に触れられようが写真を撮られまくろうがどうということはなく微笑んで全て許すんじゃないかな。
ただ目元に触れられるのは嫌がりそう、というか瞳への言及を嫌がりそう、炎ばかりを身に纏う彼の熱を冷やす唯一の青を彼は自身の欠落としていると素敵だなあ、なんて……。

ザオボーさんはとにかく他者と距離を取る、取りたがる。見つめられるのも触れられるのも近付かれるのも嫌い。
他者と食事をするのも嫌だし眠そうな顔を見られるのも嫌だし仕事を真剣にしているところを見られるのもちょっと不安でおそろしい。
彼が見てほしいのは彼自身の姿とか挙動とかそういうのじゃなくて肩書であり成果でありそれを自身の価値とするタイプの人間だから、
自らが生身の人間であると認識させられるタイプの触れ合いとか視線とか会話とかそういうの全部疎ましいのだ、本来は!

ゲーチスさんはザオボーさんに似た性質を持っていますが彼の場合は「不安」とか「恐れ」とかじゃなくてもっとプライドの高い人が抱くタイプのあれ、ほら、「屈辱」ってヤツ。
距離を詰められるのも心を暴かれるのも弱みに触れられるのものも全部全部屈辱、屈辱!
だって彼は距離を詰めて、心を暴き、弱みに触れる側の人間でなければいけないのだもの!
でも一度その屈辱を受け入れてしまうと完膚無きまでに甘え倒す、そんな壮年男性も悪くないと思います。回帰願望、っていうのかもしれないこういうの。

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