夢に出てきそうな程の恐怖めいた人間の美

四角関係にまでしておいてスッキリ終わるはずがないだろうなあとは思っていたのだけれど……。
なんでこんな、昼ドラも真っ青の四角関係でこんな、こんな美しい物語になるんだよ……どういうことだよ……。

いや、綺麗だったよ、本当に綺麗でした。心が洗われるようでした。
でも「それだけじゃない」と首を振りたくなる程に、彼らの内に息づく怪物の気配が美しすぎて、なんだか……人間っていいよねって(唐突な塩)

こう、本気で鉛を流し込まれたような後味の重たさが……癖になるんだ。
何度でも観たい。何度でも何度でも、彼の慟哭に、彼の懇願に、彼の抱擁に、そして彼女の愛に、触れたい。

私は、彼の想いも彼の想いも彼の想いも、間違っていたとは思わない。彼等は等しく人間であり、等しく怪物であり、そして等しく美しかった。

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